2013 Fiscal Year Annual Research Report
宗教と移民のアイデンティティ・共生: 南アジア系ディアスポラを事例として
Project/Area Number |
23401048
|
Research Institution | National Museum of Ethnology |
Principal Investigator |
辻 輝之 国立民族学博物館, 民族社会研究部, 外来研究員 (20546832)
|
Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 現地調査 / 論文執筆 / 国際学会発表 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.2014年4月~7月にかけて,同大学が所蔵するキリスト教に関する蔵書を検索,課題に関連する史料を収集しながら,既に収集した聞き取りや古文書データの分析を継続した。同期間中に論文"Toward the Materiality of Intercultural Dialogue, (still) a 'Miracle Begging for Analysis'"(2015年4月末,Perspectives on Interculturality: The Construction of Meaning in Relationships of Differenceに所収され出版された)とEncyclopedia of Race, Ethnicity, Nationalismに所収されるの小論文 "Caribbean"(2015年8月出版予定)の最終稿を書き上げた。 2.2014年9月23日~10月2日に,Florida Hindu Organization Shiva Mandir (Oakland Park, FL)で執り行われたNavaratriへの参与観察と宗教指導者,参列者への聞き取り調査を実施した。同寺院の指導者Pdt. Bimal Maharajは,トリニダッド島にも世襲した寺院を運営しており,同氏とともに今回のNavratriを執り行った指導者の大半がトリニダッドからの訪問者であった。今後は,南フロリダとトリニダッドを移動する指導者に寄り添って調査を継続する。 3.12月3日~7日,米国ワシントンDCにて開催されたアメリカ人類学会総会に出席し,研究成果発表を行った。論題は,“Dressing the Statue: Spirituality and Sociality of the Blessed Virgin"で,これまで調査を行ってきたトリニダッド島南部の町シパリアでのカトリック教徒およびヒンドゥー教徒による単一マリア像の分有信仰について,像の衣装および儀礼的着替えの意味について考察した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題の最終目標である書籍出版計画の執筆は予定通り進んでいるが,学術雑誌論文は執筆・寄稿を続けているものの,査読を通らず,当初予定通りに出版できていない。また、トリニダッド・トバゴの事例については予定通り進んでいるものの,膨大な古文書・史料分析に引き続き時間を要し,その分南フロリダの民族誌調査と,収集したデータの分析,論文の執筆が当初の予定通りに進んでいないのが現状である。
|
Strategy for Future Research Activity |
南フロリダの事例研究については,(1)参与観察・聞き取り調査の継続,(2)これまでの調査を基にした研究ノートなどの執筆,(3)国際学会での発表などの早期実現を目指す。トリニダッド・トバゴの事例については,(1)書籍原稿執筆,(2)国際学術雑誌に寄稿する論文原稿の執筆,(3)必要に応じた書籍出版計画書の推敲など出版契約に向けた努力を継続する。
|
Research Products
(3 results)