2013 Fiscal Year Annual Research Report
失業者への心理的援助プログラムの開発と効果評価-海外の実践に日本文化を融合して
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23402057
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高橋 美保 東京大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (10549281)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 失業 / メンタルヘルス / 援助プログラム |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、以下の5つの研究を行った。 1.失業プログラムの開発:これまで行ってきた海外の失業プログラムの調査研究をもとに、海外のプログラムを活用できるところと、日本文化を考慮して新たに改良を加えるべき点について検討を重ねた。プログラムはミシガン大学のPrice教授のスーパーヴァイズを受けて、完成させた。 2.シンポジウムの開催:日本心理臨床学会で「メンタル不調者が働き続けることのできる社会を作るために-産業人と法学者との対話から心理的援助を考える」というシンポジウムを企画し、Price教授、法学者、実業者と援助の在り方について検討を行った。 3.失業者のためのWebサイトの公開:プログラムに参加できない失業者への情報提供の場として、また、今後開催する失業プログラムのアクセスの場として、Webサイトを公開した。 4.受容的なアプローチについての検討:日本文化を考慮するという視点から、海外のプログラムにはない要素として、マインドフルネスの導入を検討した。そのために、英国でのリトリートに参加し、その可能性について検討した。 5.失業者のメンタルヘルスに関する調査研究:失業者のための心理的援助プログラムを開発するにあたり、メンタルヘルスに及ぼす影響を精査し、その結果を公表した。特に、就労の機能という視点から検討を加え、日々の生活を整えることの必要性を明らかにし、プログラムにはその要素を組み込むこととした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
シンポジウム開催、プログラム開発はほぼ予定通りに進行した。Webの公開については、Webデザイン会社とのやり取りが思うように進まず遅れが生じ、マインドフルネスリトリートの参加については、翌年度にずれ込んだがそれ以外の計画についてはほぼ予定通りに進んだ。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、失業者へのメンタルヘルスプログラムを実装し、効果評価を行い、プログラムの精緻化を行う予定である。また、平成25年度に導入可能性を検討するために学んだマインドフルネスについて、よりよい活用法を検討するとともに、失業者の中でも再就職がむつかしい発達障碍者への支援について勉強会を行い、より良いプログラムの開発を目指す。さらに、シンポジウムや書籍にてこれまでの研究成果の公表も行う。
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