2011 Fiscal Year Annual Research Report
外国籍児童生徒の就学義務に関する法的基盤と制度的支援の国際調査
Project/Area Number |
23402059
|
Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
所澤 潤 群馬大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (00235722)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江原 裕美 帝京大学, 外国語学部, 教授 (40232970)
中田 敏夫 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (60145646)
小川 早百合 聖心女子大学, 文学部, 教授 (20276653)
古屋 健 立正大学, 心理学部, 教授 (20173552)
田中 麻里 群馬大学, 教育学部, 准教授 (10302449)
|
Keywords | 就学義務 / 教育義務 / 日系南米人 / 多文化共生 / 外国籍幼児 / 日本語初期指導 / エスニシティ / プレスクール |
Research Abstract |
今日の日本では、学齢の外国籍児童生徒は日本人児童生徒と違って、学校に就学する義務を課されておらず(正確には保護者が)、学校に通わなくてもかまわない状況にある。日本の就学システムの現状は、旧植民地との歴史的経緯で形成されてきたものと思われ、通常の義務と権利の法的検討では、現状の変更は困難であると見られる。そこで、本研究では、就学システムのあり方を検討するために、国際的比較をとおして、日本の就学システムと諸外国の異同を確認する。すなわち、日本で導入が叫ばれている外国籍児童生徒の就学義務の問題を、諸外国が法的にどのように扱い、そして実態はどのようであるかを解明して、日本の就学システムの改革の可能性を探る。 本年度調査を行ったのは、移民・外国人の送り出し側であるタイ、ペルー、中華人民共和国(上海、北京)、受け入れ側である韓国、及び、単純にそのように位置づけられないチェコである。それらの調査は、調査国の実態を解明するものであるとともに、今後調査を進めるに当たっての必要な事項等を明確化するものでもある。 一方、日本国内については就学システムの実態に関する調査を行った。就学義務がないことにより、どのような問題が発生しているかを調査する準備として、群馬県伊勢崎市の教育委員会担当者等と連絡を行った。また、岐阜県可児市土田小学校、及び可児市の初期指導施設である「ばら教室」、及び愛知県豊田市東保見小学校、知立市立東小学校で、外国籍児童受け入れ体制の実況について現地調査を行った。 国内の現況調査の一環として、伊勢崎市の境地区の公立小学校で、日本語指導に関して20年にわたって積み重ねられた経験を反映したテキストを作成し、公開した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
交付決定が11月下旬であったため、申請時に計画していた海外調査、国内調査の日程を十分確保することができなかった。
|
Strategy for Future Research Activity |
調査項目洗い出しのため、夏期に全体会を行う。 初年度に調査を行っていない地域を中心に海外調査を行う。 群馬県伊勢崎市で、就学システムに関する実態調査を行う。 3年間の計画で申請したものであるが、初年度の調査日程確保が不十分だったため、今年度に期間延長の申請を行つ。
|
Research Products
(1 results)