2011 Fiscal Year Annual Research Report
日系国際児の日本文化の継承と文化的アイデンティティ形成および教育支援に関する研究
Project/Area Number |
23402063
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Section | 海外学術 |
Research Field |
Sociology of education
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Research Institution | Saitama Gakuen University |
Principal Investigator |
鈴木 一代 埼玉学園大学, 人間学部, 教授 (40261218)
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Keywords | 日系国際児 / 文化的アイデンティティ / 教育支援 / 教育心理学系 / 異文化間教育学 / 日本語・日本文化継承 / 青年期以降 / インドネシア:ドイツ |
Research Abstract |
本研究は、海外で成長する、学齢期以降の日系国際児(両親の一方が日本人、他方が外国人の子ども)に着目し、日本文化・日本語の継承、現地文化・現地語の習得、文化的アイデンティティ、国籍選択に関して、生育環境(居住地の状況、家庭環境、学校環境など)を視野に入れ、継続的なフィールドワークによって詳細なデータの収集、分析、考察をおこなうことにより、日系国際児に必要な教育支援について明らかにすることを目的としている。その際、居住国や両親の文化の組合せによって、文化・言語の継承や文化的アイデンティティ形成が大きく影響されるため、アジア(インドネシア)で成長する日系国際児とヨーロッパ(ドイツ)で成長する日系国際児を比較検討する。 初年度である本年は、まず半構造化面接等の調査内容について吟味し、インドネシアを中心に、ドイツにおいてもフィールドワークを実施した。具体的には、インドネシア(バリ州)では、3回(4月末から5,月、8月から9月、および3月)、ドイツ(ノルトライン=ヴェストファーレン洲)では、1回(11月)、日系国際児(高校生以上)への半構造化面接を実施するとともに、日本語補習授業校の高等部等や現地校(高校)での見学や参与観察、さらに、教師や保護者からの聞き取りをおこなった。これらの調査を通じて、それぞれの国(地域)の日系国際児(高校生・大学生)の文化・言語の継承/習得、文化的アイデンティティ、国籍選択などや日系国際児をめぐる最新の状況について把握した。同時に、今後の計画(継続的なフィールドワーク)を推進するための基盤を確立した。 調査結果の一部については、学会発表(異文化間教育学会[6月]、IACCP[7月])をおこない、また、論文としてまとめたが、本研究の性格上(追跡的・継続的研究)、前年度までの科学研究費等による研究成果も盛り込まれている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
インドネシアおよびドイツにおいて、計画通りに現地調査を実施し、データの収集・整理・分析が順調に進んでいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の基盤の上に、当初の計画通り、インドネシアおよびドイツにおいて調査を継続する。具体的には、主に日本語補習授業校や現地校での見学・参与観察を通じて、日系国際児をめぐる現地の状況(変遷)を多面的に把握するとともに、日系国際児を対象とした面接調査を実施することによって、さらにデータ(事例)を収集し、整理・分析を進める。また、インドネシアやドイツから留学等で日本に移動した日系国際児に対しての追跡調査を実施する。研究成果の一部については、学会等で発表する。
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Research Products
(3 results)