2013 Fiscal Year Annual Research Report
日系国際児の日本文化の継承と文化的アイデンティティ形成および教育支援に関する研究
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23402063
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Saitama Gakuen University |
Principal Investigator |
鈴木 一代 埼玉学園大学, 人間学部, 教授 (40261218)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 日系国際児 / 文化的アイデンティティ / 教育支援 / 教育心理学系 / 異文化間教育学 / 日本語・日本文化継承 / 青年期以降 / インドネシア:ドイツ |
Research Abstract |
三年目である本年度は、アジア(インドネシア)およびヨーロッパ(ドイツ)在住の日系国際児の日本文化・日本語の継承、現地文化・現地語の習得、文化的アイデンティティ、国籍選択などに関して詳細に把握し、両者を比較検討することによって教育支援について明確にするという研究目的を達成するために、昨年に引き続き、さらにデータの収集をおこなった。具体的には、インドネシア(バリ州)で2回(8月・9月および2月・3月)、ドイツ(ノルトライン=ヴェストファーレン洲)で2回(6月および11月・12月)の合計4回(各約10日から約2週間)のフィールドワークを実施した。日系国際児(高校生以上)への半構造化面接、日本語補習授業校の高校生クラスにおける見学や参与観察、教師や保護者からの聞き取り、現地の高校での参与観察(インドネシア)をおこなった。また、日本国内においては、一時的に日本に滞在している日本-インドネシア国際児の追跡調査を実施した。なお、各調査の際には、継続調査を円滑におこなうために、次回の調査の準備をした。 収集したデータについては、これまでのデータと合わせて整理し、日本-インドネシア国際児と日本-ドイツ国際児のそれぞれの分析を進めた。 研究成果の一部については、異文化間教育学会(6月)においてケース・パネル型発表を企画し発表した。また、Asian Association of Social Psychology(8月)、European Conference of Developmental Psychology(9月)、日本社会心理学会(11月)において学会発表をおこなった。さらに、一部の研究成果を論文としてまとめた。(発表・論文には、本研究の性格上[追跡的・継続的研究]、これまでの科学研究費等による研究成果も一部盛り込まれている。)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
インドネシアおよびドイツにおけるフィールドワークによるデータ収集については、諸事情により調査期間がやや短くなったため、調査参加者数にいくぶんのびやなみはあるが、ほぼ予定の範囲内ではある。データの整理・分析に関しては、データ収集も継続しているためやや遅れ気味の部分もあるが、全体的には良好に進んでいると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
インドネシアおよびドイツにおける調査をさらに継続しデータを充実させる。具体的には、引き続き、それぞれの国の日本語補習授業校および現地校の見学や参与観察などを通じて日系国際児をめぐる現地の状況やその変遷を把握するとともに、現地在住の日系国際児への面接調査、およびインドネシアやドイツから日本に移動した日系国際児への面接調査(追跡調査を含む)を実施し、多面的なデータ収集をおこなう。 研究目的を達成するために、インドネシアとドイツのデータを比較検討し、総合的な分析および考察をおこなう。 研究成果の一部については、国内外の学会で発表し、また論文等にまとめる。
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