2011 Fiscal Year Annual Research Report
デンマークにおける自治体再編の拡大特別ニーズ教育制度への影響に関する研究
Project/Area Number |
23402068
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
眞城 知己 千葉大学, 教育学部, 准教授 (00243345)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
是永 かな子 高知大学, 人文社会・教育科学系, 准教授 (90380302)
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Keywords | 地方分権 / 特別ニーズ教育 / デンマーク |
Research Abstract |
本研究の目的は、大規模な自治体再編によって地方分権が大きく進んだデンマークにおいて、拡大特別ニーズ教育とインクルーシヴ教育の施策方針決定と展開に影響を与えた要因の特質を、丁寧なフィールド調査によって、各自治体の一次資料を収集するとともに、後世の研究資料に資する映像資料を蓄積しながら明らかにしようとすることである。具体的には、全国を構成する5つのレギオン(州)と98のコムーン(市)の各議会における特別ニーズ教育に関する制度構築に際してなされた議論の特質を丁寧に明らかにすることである。 23年度は、研究初年度として、まず、5つのレギオンの議会資料及び各レギオン主要市の議会資料を収集することを目指した。2007年の自治体再編以降、特別ニーズ教育に関わって、各レギオンの議会がどのような施策を打ち出し、また、議論を行ってきたのかを明らかにすることを目的とした。具体的には、調査対象者は、教育行政担当者、各学校の教師を中心とする。調査は、教育行政担当者の場合には、主に面接による調査とし、各地域の政策について明らかにするとともに、関係資料の収集を行った。各学校の教師の場合には、学校での具体的実践と照合しながら、質問紙調査及び面接調査を実施した。さらに、保護者への面接調査も実施した。各地域のフィールド調査には、研究代表者及び研究分担者が担当地域を分担して調査を実施した。 また、各地域における施策が具体的な実践にどのように反映されているのかを明らかにするために、各地域における学校や家庭での実践についてもフィールド調査を行って、2007年以降の変化について情報収集を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
23年度には、予定していた自治体の訪問をするとともに、実際の影響について幼児教育及び応用行動分析学の実践領域の専門家による評価も受けながら進められたことが有効であったが、2011年秋の総選挙で政権交代がなされたために、現在制度の大幅な見直しが進められようとしているために、各自治体での動きが一時的に止まっている状況が生じており、この点が24年度のフィールド調査で懸念されるため。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度は、当初の研究計画通りに進める予定であるが、政権交代の影響が5~6月頃よりあらわれてくることが予想されるため、この時点までに発行された情報を着実に収集できるようにしたい。なお、政権交代による影響も含めて、各自治体の拡大特別ニーズ教育制度の展開について情報収集を継続したい。
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Research Products
(1 results)