2013 Fiscal Year Annual Research Report
落雷の最終雷撃過程の完全解明とこれに基づいた帰還雷撃モデルの改善
Project/Area Number |
23403007
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
王 道洪 岐阜大学, 工学部, 准教授 (20273120)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高木 伸之 岐阜大学, 工学部, 教授 (80179415)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 落雷 / 帰還雷撃 / 雷害 / 落雷の最終雷撃過程 / 避雷針 / 落雷位置標定装置 |
Research Abstract |
落雷の最終雷撃過程についての観測実験を計画通り行った。35個の帰還雷撃を含む7例のロケット誘雷と3回の帰還雷撃を有する至近距離(630m)の最終雷撃過程の観測に成功した。過去2年間当研究で観測できたデータと合わせて解析したところ、下記の成果を得られた。 (1)初めて帰還雷撃の開始高度と落雷電流ピーク値の関係式の経験式を見出した。(2)ロケット誘雷用のワイアに沿わない、より自然雷に近い7個の帰還雷撃の最終雷撃過程を明らかにした。このようなワイアに沿わない第一雷撃の開始高度も本研究で求めた(1)の関係式と合致していた。(3)帰還雷撃の最終雷撃過程におけるSlow frontとFast transitionの現象が両方とも帰還雷撃の開始高度で開始し、双方向に進展することが分かった。(4)落雷の第一雷撃に対して、現在普及している落雷位置装置による電流推定値が実際の値よりも2倍以上小さかったことを観測した。その原因についての考察を行った。(5)上記落雷の最終雷撃高度を利用して、避雷針の保護範囲を定める最終雷撃距離を実験より初めて求めた。本研究で求めた最終雷撃距離はIEC規格より数十パセント短いことが分かった。(6)以上の成果の一部に基づき、JGR論文2篇を掲載した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
観測実験は計画通り実施してきた。 自然落雷のデータは期待していた数より少なかったが、ロケット誘雷のデータが数多く取れた。これらのデータの解析は計画通り実施しており、本研究の目的は十分に達成できる。
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Strategy for Future Research Activity |
データの解析により多くの力を入れて、今年度中にレベルの高い学術論文を少なくとも3篇完成する。また、本研究で発見した新しい課題につき、具体的な対策を立て、次の研究プロジェクトの提案に反映させる。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Lightning attachment processes of an “anomalous”triggered lightning discharge2014
Author(s)
Wang, D., W. R. Gamerota, M. A. Uman, N. Takagi, J. D. Hill, J. Pilkey, T. Ngin, D. M.Jordan, S. Mallick, and V. A. Rakov
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Journal Title
Journal of Geophysical Research: Atmospheres
Volume: 119
Pages: 1-10
DOI
Peer Reviewed
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