2014 Fiscal Year Annual Research Report
地上・衛星同時観測によるPc5地磁気脈動の励起・伝播特性の解明
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23403011
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Research Institution | National Institute of Information and Communications Technology |
Principal Investigator |
長妻 努 独立行政法人情報通信研究機構, 電磁波計測研究所 宇宙環境インフォマティクス研究室, 研究マネージャー (50359014)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 磁気圏・電離圏 / 地磁気脈動 / 内部磁気圏 / 宇宙天気 / 地上・衛星同時観測 |
Outline of Annual Research Achievements |
H26年度は、これまでと同様に、放射線帯探査機Van Allen Proves(VAP)と短波レーダ観測ネットワーク(SuperDARN)との共同観測キャンペーンを頻繁に実施し、衛星-地上同時観測データを継続的に取得した。同時観測例の中から、太陽風動圧の急増後に汎地球的にPc5地磁気脈動が励起した例について、HFレーダ、地磁気データ、Van Allen Probes衛星データを用いたイベント解析を行った。その結果、太陽風動圧急増後の汎地球的なPc5地磁気脈動は、正午付近を除き、In-Phaseで振動していることが地磁気観測から明らかになった。一方、地上磁場とHFレーダによる電場観測との比較から、地上磁場と電離圏電場の間には、90度の位相のずれがあり、地上の変動(少なくとも極域)が、電離圏のHall電流の変動によるものではないことが示された。また、VAP衛星の磁場観測との比較により、このグローバルなPc5地磁気脈動がK-H不安定性によって励起された圧縮性の波動に起因することが示唆された。 これらの成果については、11月に松本で開催された地球電磁気・地球惑星圏学会にて報告を行った。また、観測装置の維持・整備、及び研究者との打合せのために、米国アラスカ州フェアバンクス、及びキングサーモンを訪問し、研究に関する議論、及びHFレーダ装置やアンテナ等の保守作業を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
不連続なHFレーダデータを解析するための手法等の開発には一定の進捗が見られたものの、イベント解析例を増やして統計的な考察を行うところまでは至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
H27年度は、前年度までに開発した解析手法等を活用して、解析例を増やし、統計的な観点からの考察を深めるとともに、これまでの結果を論文としてまとめたい。
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Research Products
(3 results)