2012 Fiscal Year Annual Research Report
アジアモンスーン域における既存灌漑システムの需給変動対応型への展開
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23405036
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
松野 裕 近畿大学, 農学部, 教授 (50340766)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀野 治彦 大阪府立大学, 生命環境科学研究科(系), 教授 (30212202)
八丁 信正 近畿大学, 農学部, 教授 (00268450)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 灌漑排水 / モンスーンアジア / 水資源 / 米生産 / 国際情報交換 |
Research Abstract |
本研究では、アジアモンスーン地域における灌漑用水の需給量を適正に評価し、そのバランスを図りつつ水需要・水供給双方の変化に対して柔軟な対処が可能となる水管理方法の検討と構築を目的としている。そこで、アジアの主要な米生産国のなかでも比較的経済発展が遅れているミャンマー米生産地域の灌漑地区を中心として、現地調査から得る水文、地理情報、水利組織・制度、社会・経済などに関するデータを基とした分析を行い、さらにアジア他国の灌漑地域を比較対象地域として、その共通性と相違点を摘出することによる水管理法の一般化を試みることを主な活動としている。 当該年度においては、ミャンマー米作地域内で選定した2つの灌漑地区における調査を昨年度から継続して実施した。調査・観測項目は、1)水文、水利状況、2)営農状況、3)水管理制度、水利組織運営状況に大別している。このなかで、水文、水利情報については昨年度から実施している水路流量、気象要素などのデータの整合性を確認するとともにモニタリングを継続した。また、水源地の水利施設や土壌状況についての現地調査を実施した。他の調査項目についても、米作およびそれに伴う水管理の指標となるデータ・情報を中心に収集した。これらのデータを用いて水循環系を定量化し、水利用効率を評価するモデルの枠組みを検討した。さらに、ミャンマーの比較対象地域としてラオスおよびタイにおける水資源や灌漑農業の動向、およびアジアモンスーン地域全般の水資源・灌漑管理の現況についての情報を収集した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現地研究協力機関から入手したデータの整合性の確認作業を行う時間が当初の想定以上に必要であった。また、調査対象地域の農地や水路の改修に伴い、観測地点の変更を余儀なくされた。これらの理由により、営農に関わるデータの収集および入手したデータ・情報の分析・解析作業が若干遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も対象地域のデータ・情報収集を継続する。これらを用い、ミャンマーにおいては基幹システムレベルと末端水路・圃場レベルの関連性および連動性を考慮しつつ、水文、水利、制度などの要因を踏まえながらの分析を進める。さらに他の地域の状況との比較を加えながら総合的にアジアモンスーンの水管理を評価し今後のあり方について検討する計画である。
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Research Products
(3 results)