2013 Fiscal Year Annual Research Report
チェルノブイリにおける放射線誘発甲状腺がんの発症メカニズム解明にむけた疫学調査
Project/Area Number |
23406020
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
高村 昇 長崎大学, 原爆後障害医療研究所, 教授 (30295068)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 尚樹 長崎大学, 先導生命科学研究支援センター, 教授 (00304973)
林田 直美 長崎大学, 原爆後障害医療研究所, 講師 (00420638)
中島 正洋 長崎大学, 原爆後障害医療研究所, 教授 (50284683)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | チェルノブイリ / 甲状腺 / 内部被ばく |
Research Abstract |
チェルノブイリ事故後、長崎大学は、周辺3カ国において5年間で12万人の学童を対象として統一プロトコールによるスクリーニングを行い、事故当時小児であった世代に甲状腺がんが激増していることを示したが、同時に地区ごとの甲状腺がんの頻度と甲状腺結節の頻度が強く相関していることも明らかにした。このことは、甲状腺結節が将来の甲状腺がんの発症に関与しうる可能性を示すものであり、この群をフォローアップすることは甲状腺がん発症リスク群の同定に重要であると考えるに至った。 そこで本申請では、チェルノブイリにおける甲状腺結節群を対象とした症例-対照研究を行い、甲状腺がん発症リスク因子の解明を行った。具体的には、ジトミール州において、事故後のスクリーニングで甲状腺結節を指摘された住民(結節群)と、甲状腺異常を指摘されていない住民を対照群として追跡スクリーニングを行い、甲状腺結節の長期的予後についての臨床疫学研究を行った。 その結果、結節群では結節数、径ともに有意に増加していたのに対し、対照群では結節の発生は認められなかった。細胞診での悪性は結節群の3例のみであったが、悪性の可能性が否定できない判定困難例を併せるとその割合は対照群より有意に高かった。以上より、チェルノブイリにおいて甲状腺結節は、その後の径の増加に加え、将来的な甲状腺がんのリスクとなりうる可能性があり、今後被ばく線量との関連を含めたさらなる調査が必要であると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(9 results)
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[Journal Article] Thyroid ultrasound findings in children from three Japanese prefectures: Aomori, Yamanashi and Nagasaki.2013
Author(s)
Hayashida N, Imaizumi M, Shimura H, Okubo N, Asari Y, Nigawara T, Midorikawa S, Kotani K, Nakaji S, Otsuru A, Akamizu T, Kitaoka M, Suzuki S, Taniguchi N, Yamashita S, Takamura N.
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Journal Title
PLoS ONE
Volume: 8
Pages: e83220
Peer Reviewed
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[Journal Article] Urinary iodine concentrations of pregnant women in Zhitomir, Ukraine.2013
Author(s)
Sekitani Y, Hayashida N, Takahashi J, Kozlovsky A, Rudnitskiy S, Petrova A, Gutevych O, Chorniy A, Yamashita S, Takamura N.
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Journal Title
Clinical Chemistry and Laboratory Medicine
Volume: 51
Pages: 811-816
Peer Reviewed
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[Journal Article] Vertical distribution and estimated doses from artificial radionuclides in soil samples around the Chernobyl Nuclear Power Plant and the Semipalatinsk Nuclear Testing Site.2013
Author(s)
Taira Y, Hayashida N, Tsuchiya R, Yamaguchi H, Takahashi J, Kazlovsky A, Urazalin M, Rakhypbekov T, Kudo T, Yamashita S, Takamura N.
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Journal Title
PLoS ONE
Volume: 8
Pages: e57524
Peer Reviewed
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