2012 Fiscal Year Research-status Report
形式言語の効率的学習アルゴリズムの開発及びその応用システムの構築
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23500011
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
若月 光夫 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 助教 (30251705)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
富田 悦次 電気通信大学, 名誉教授 (40016598)
西野 哲朗 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 教授 (10198484)
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Keywords | 計算論的学習理論 / 質問による学習 / 極限同定 / 等価性判定 / アルゴリズム / 決定性文脈自由言語 / プッシュダウン変換器 / 多項式時間可解性 |
Research Abstract |
形式言語の部分クラスの中で実用上重要な決定性文脈自由言語を受理する決定性プッシュダウンオートマトン(DPDA),またはそれに対応した文法等に対して,その構造に妥当な制約を課した幾つかの部分クラスを研究対象として選び,計算論的な手法によって学習アルゴリズムを開発し,その応用を図ることを目的として研究を行った.本年度は以下の研究成果を得た. 1.学習アルゴリズム開発の基礎構築 DPDAに出力機構を付与した決定性プッシュダウン変換器(DPDT)の部分クラスのうち,スタック記号が1種類で受理方式を最終状態受理式とする,実時間の決定性限定1カウンタ変換器(DROCT)に対して,昨年度,多項式時間の等価性判定アルゴリズムを開発したが,今年度,これを改良した等価性判定アルゴリズムを提案した.この成果は対象とするDPDTに対する質問による学習に利用できる.なお,本研究成果について,平成25年7月1日~3日に開催される国際会議SNPD2013にて発表を行う予定である. 2.学習アルゴリズムの開発 上記の実時間最終状態受理式DROCTに対して,所属性質問及び等価性質問を行うことによって正負の例を獲得し,目標とするDROCTを学習するアルゴリズムを提案した. この他,昨年度に開発した最大クリーク抽出アルゴリズムを改良して時間計算量解析を行い,多項式時間で可解となる条件について更に改善された成果を得た.最大クリーク抽出アルゴリズムは,DPDA及びDPDTの学習を行う際,状態の分離・統合に利用できる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
学習アルゴリズム開発の基礎となる等価性判定アルゴリズムの開発については,これまでに,受理言語が正則言語を真に含む,ε動作を許した最終状態受理式DROCTに対して,その等価性判定が多項式時間オーダで行えることを示したが,これを保証するため,ε動作に制約を課さざるを得なかった.ε動作に制約のない最終状態受理式DROCTに対して等価性判定が多項式時間オーダで行えるよう,アルゴリズムを拡張する必要がある. 学習アルゴリズムの開発については,実時間最終状態受理式DROCTの質問による学習アルゴリズムを提案したが,今後厳密な計算量解析を行う必要がある.また,準同型写像による変換によって拡張された言語クラスを対象とした,正例からの極限同定の統一的手法に関する研究成果をまとめ,論文投稿の準備を進めている.
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Strategy for Future Research Activity |
学習アルゴリズム開発の基礎構築については,これまでに研究成果として得てきた等価性・包含性判定アルゴリズムを基にして,その手法を発展させることによって,構造の制約を緩和した更に上位の言語クラスに対する判定アルゴリズムを開発し,その簡単化・効率化を図る.具体的には,ε動作に制約のない最終状態受理式DROCTに対する多項式時間の等価性判定アルゴリズムを開発する. また,学習アルゴリズムの開発については,これまでに開発してきた学習アルゴリズム等の研究成果を基にして,その手法を発展させることによって,更に上位の言語クラスに対するMAT学習等の質問を用いた学習や極限同定による学習を行うアルゴリズムの開発を行い,その多項式時間学習可能性を明らかにする.具体的には,最終状態受理DROCTに対する質問による学習や,その部分クラスに対する極限同定を行うアルゴリズムを開発する. 更に,これまでに開発してきた学習アルゴリズムを適用することによって,実際的な問題への応用を図る.具体的には,マルチエージェントシステムにおける各個体(エージェント)の挙動の制御モデルを順序機械等のオートマトン(や変換器)として捉え,個体の挙動の履歴からオートマトンの入出力列の例を生成し,そのオートマトンに対する正例からの極限同定アルゴリズムを適用して,個体の制御モデルの同定や挙動の予測を行う.また,これまでに,正則言語の部分クラスであるk可逆言語の正例からの極限同定アルゴリズムを組み込んだ,鳥(ジュウシマツ)の歌構造解析システムEUREKAを開発してきたが,これをゲーム情報学におけるプレイヤーの行動予測等,他の新たな分野の問題に応用する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度の「次年度使用額」は,研究成果を英文論文として仕上げるのに時間を要し,年度内に国際会議で発表できなかったために生じたが,平成25年7月1日~3日に開催される国際会議SNPD2013で発表するための旅費として使用する予定である. 平成25年度請求額については,得られた研究成果を国内外の国際会議や国内学会の研究会等で発表するため,旅費を使用する.また,研究成果を国内外の論文誌へ英文論文として投稿するため,その他の直接経費として英文論文校閲料を使用する.更に,論文原稿等の作成・推敲の過程で印刷を行うため,プリンタトナーや印刷用紙等の消耗品が必要であり,消耗品費を使用する.
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Research Products
(6 results)