2011 Fiscal Year Research-status Report
大規模確率場における戦略獲得アルゴリズムの開発と特徴抽出
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23500017
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
向谷 博明 広島大学, 大学院教育学研究科, 准教授 (70305788)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徐 ふぁ 筑波大学, ビジネス科学研究科(系), 教授 (40253025)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | Nash equilibrium / Pareto optimality / Stochastic systems / Markov jump systems / Romania |
Research Abstract |
本研究では,モデル構造の変動や様々な環境変化を,マルコフジャンプシステムとして表現し,確率システムに基づいて新規な確率最適戦略を求める.すなわち,停電等,劇的なパラメータ変動に対して,頑強な確率分散戦略の数値計算アルゴリズムの開発を行う.ここで,特徴的な試みとして,提案される確率戦略が確率ナッシュ均衡状態だけでなく,確率パレート最適性も同時に満足することを明らかにする.これらの目的を達成するために,まず,大規模電力システムを弱結合システムに基づくマルコフジャンプを伴う伊藤の確率微分方程式としてシステム表現することを行った.さらに,確率パレート最適性に関わる問題,及び確率ナッシュ均衡問題を定式化するために,複数のプレーヤを伴う確率ジャンプシステムを導入した.ここで,従来研究の拡張として,拡散項であるシステムノイズに関する項にも,プレーヤを表現する入力を扱っている点に注意が必要である.続いて,新規に確率パレート最適性及び確率ナッシュ均衡を満足するための条件を線形行列不等式によって定式化した.さらに,これらの拘束条件下における最適化問題を定義し,戦略組を得るための数値計算アルゴリズムの開発を行った.これらの定式化に関する成果は,劇的なパラメータ変動と不確定要素を動的ゲーム問題に取り入れることが可能となった点で,従来の報告にない斬新な結果である.現在,線形行列不等式の最適化条件を,不等式制約あり最適化の最適性条件で有名なKKT条件によって,等価性の証明が完了している.その結果,通常の連立型非線形代数方程式を解くことによって,戦略組を得る別の手段として期待できる.今後は,連立型非線形代数方程式として,考慮している問題を定式化することによって,提案される近似戦略の有用性が評価可能であると確信している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
弱結合パラメータによって分散表現されたシステムに対して,マルコフジャンプを伴う伊藤の確率微分方程式を導入し,確率システム表現を行った.さらに,確率パレート最適性,及び確率ナッシュ均衡を新規な定義によって記述するために,複数の入力を含むシステム形式を導入した.また,様々な不確定要因を意味する外乱をウィナー過程によって表現した.続いて,確率パレート最適性及び確率ナッシュ均衡を満足するための不等式条件を線形行列不等式によって表現し,後に必要な数値計算の簡略化を行った.さらに,これらの拘束条件下における最適化問題を定義し,確率戦略組を得るための数値計算アルゴリズムの開発を行った.特に,再帰的アルゴリズムを導入し,収束性の条件の吟味を行った.最後に,線形行列不等式の最適化条件を,不等式制約付き最適性条件であるKKT条件によって記述し直した.その結果,問題の等価性の証明が完了し,評価関数の劣化についての議論が行えるようになった.以上の理由から,遅れもなく,順調に進捗していると考えられる.
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Strategy for Future Research Activity |
P.C.クラスタ上で動作させるための半正定値計画用アプリケーションソフトの開発を手がける.その後,P.C.クラスタにモジュールとしてリンクさせ,確率動的ゲーム理論による確率最適戦略設計アルゴリズムが機能するように,ソフトウェアの改良を行う.作成されたソフトウェアに対して,収束性等が保障されるするように,部分的な数値計算アルゴリズムの改良,並びに大規模計算が行えるように,モジュールの修正や追加を行う.このようにスパイラル的にシステム構築を行うことで,実際の大規模な確率最適化問題が扱えるようにする.一方,理論面では,システムに確率的な劇的変動が起こることを考慮に入れた評価関数の劣化についての議論を完結させる.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
確率システムに関する最新の知見を得るために,洋書をある程度購入予定である.さらに,P.C.クラスタの拡張に必要なP.C.の購入を計画している.最後に,TCP/IPによるテストベッドに関する調査のため, 海外出張を計画している.また,最新の研究成果を調査・情報収集する目的と,得られた成果をいち早く発信する必要性から,国際会議に出席(論文発表を含む)するための海外出張を計画している.
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Research Products
(2 results)