2011 Fiscal Year Research-status Report
クラウドコンピューティングを統合するソフトウェア開発方法論
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23500054
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Research Institution | Nanzan University |
Principal Investigator |
青山 幹雄 南山大学, 情報理工学部, 教授 (40278073)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | ソフトウェア工学 / クラウドコンピューティング / サービス指向アーキテクチャ / ソフトウェアアーキテクチャ / 医療情報クラウド / 自動車テレマティクス |
Research Abstract |
クラウドコンピューティングによるシステム統合について,次の2つの課題に分けて研究を行った.これらの成果は国内外の会議,ならびに,学会論文誌に論文として発表した.(1) クラウドと既存システムとの統合と振舞いの整合に関する研究クラウドは固有にアーキテクチャにより独自の振舞いを行う.特に,ソフトウェアをクラウドとして利用するSaaS(Software as a Service)では,単一のソフトウェアを複数の企業が利用する「シングルインスタンス・マルチテナント」方式が採られる.テナント毎の振舞いはメタデータで実行時に動的に制御される.このメタデータの一般モデルを提案し,実際のSaaSに適用して,モデルの有効性を評価した.さらに,クラウドを選択するための外部仕様であるSLA(Service Level Agreement)のモデルを提案し,SLAに基づくクラウドの選択方法を提案した.実際のクラウドに適用し,提案方法の妥当性を評価した.(2) クラウド統合ブローカのアーキテクチャの研究クラウドによるシステム統合を行うために,SOA(Service-Oriented Architecture)によるサービスブロオーカのアーキテクチャを提案し,医療情報クラウドシステムに適用した.特に,個人情報の扱いにおいて,高いセキュリティが必要なサブシステムとそうでないサブシステムを隔離して統合するブローカアーキテクチャを提案した.また,複数のサービスによるシステムの振舞いが物理的実体を介して相互に作用する構造をDSM(Design Structure Matrix)を拡張してモデル化する方法を提案し,自動車の統合制御を例として,提案方法の妥当性を評価した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画に沿って研究を進めて,成果を論文として発表している.特に,医療情報クラウドのプロトタイプに開発を行う機会を得たことから,当初のクラウド統合の課題にセキュリティを考慮した統合の問題へと拡張して研究を行い,異なるセキュリティレベルを扱うクラウドブローカアーキテクチャを提案し,実装してその妥当性を評価した.また,クラウド統合の鍵となるSLAについても調査を行い,SLAとして表現すべきデータのモデルを提案した.このモデルに基づき,実際の10システムのクラウドコンピューティングのSLAを分析し,提案方法の評価を行った.
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画に基づき,BPMN 2.0とBPELなどのビジネス連携を目的としたクラウド連携の具体的な課題に取り組む.さらに,平成23年度の研究から得られた知見を活かし,SLAの保証などの品質を考慮した統合についても取り組む.特に,クラウドコンンピューティングは研究が急速に進展している分野であり,国際的な研究動向を踏まえて研究課題を設定して取り組む.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度の研究成果を踏まえて,次年度はクラウド統合ブローカのプロトタイプの実証・評価を予定している.昨年度からの予算とあわせて,次年度へ継続的に実施を計画しているクラウド環境の構築を行い,事例を用いた実証実験基盤を行う.さらに,モバイルシステムとして自動車ソフトウェアを取りあげ,自動車とクラウドとの連携についても実証・評価を行う.あわせて,これらの研究成果の発表を行う.
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Research Products
(16 results)