2011 Fiscal Year Research-status Report
2次元量子モデルに対するメニーコア並列計算機向き並列化・高速化手法の研究開発
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23500056
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
山田 進 独立行政法人日本原子力研究開発機構, システム計算科学センター, 研究副主幹 (80360436)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
町田 昌彦 独立行政法人日本原子力研究開発機構, システム計算科学センター, 研究主幹 (60360434)
松本 秀樹 東北大学, 理学(系)研究科(研究院), 研究支援者 (40209648)
大橋 洋士 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (60272134)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | ハイパフォーマンスコンピューティング / アルゴリズム / 密度行列繰り込み群法 / 強相関電子系 |
Research Abstract |
これまで電子相関のある準2次元(梯子型)量子モデル用のアプリケーションとしてシングルコアの並列計算機向きの密度行列繰り込み群(DMRG法)を開発してきた。この並列DMRG法に対してマルチコア向けの並列化・高速化を実施した。本年度は原子力機構が所有するFujitsu PRIMERGY BX900(1プロセッサあたり4コア)を対象に開発および性能評価を実施し、1000を超える並列数であってもマルチコアを想定した並列化の効果が有効に得られることを確認した。この成果等をまとめた論文が、HPC分野で最も権威のある国際会議である「SC11(the International Conference for High Performance Computing, Networking, Storage and Analysis)」に採択され、会議内のtechnical paperのセッションで口頭発表を行った。また、このDMRG法の並列化等をまとめた論文が「Japan Journal of Industrial and Applied Mathematics」に掲載された。さらに、この開発した並列DMRG法を実際の準2次元モデルへ適用し、動的の振る舞いや超流動相関等の詳細な物理量に対して並列シミュレーションを行い、これまで計算することのできなかったサイズのモデルに対する物理量の計算に成功した。このシミュレーション結果から、適切に粒子間の相互作用や閉じ込めポテンシャルといった物理パラメータを選択することで、超流動相関を強くすることが可能であることを示した。これらの成果は日本物理学会の年会やアメリカ物理学会の「March meeting」などの物理分野の研究会等で報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
密度行列繰り込み群法(DMRG法)に対するメニーコアを想定した並列化・高速化に関しては、平成23年度は1プロセッサ4コアのFujitsu PRIMERGY BX900を利用して並列化および性能評価を行ったところ、1000を超える並列数でも並列化の効果が得られることを確認している。この結果から、並列化・高速化に関しては当初の予定通りに進んでいると考えている。開発した並列DMRG法を実際に2次元の強相関量子問題に適用し、多くの物理量を計算することに成功している。また、実際の物理パラメータでのシミュレーションを行うことで開発したアプリケーションの安定性・頑強性の調査を行いつつ、アプリケーションの改良を行い、多くのパラメータで安定に計算できることを確認している。このことから、本課題についても順調であると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度以降はプロセッサ当たりのコア数が多い計算機を対象とした並列化・高速化を実施する。そのためには、計算機のアーキテクチャを考慮した並列化・高速化アルゴリズムを提案する必要があると考えられる。そのため、汎用的な計算機アーキテクチャ(プロセッサやネットワーク構造など)に対する並列化・高速化を実施すると同時に、特定の計算機アーキテクチャを対象とした並列化・高速化も実施する予定である。また、開発したDMRG法の数値シミュレーション手法を利用することにより、世界最大規模の2次元モデルの量子多体問題を計算する。また、シミュレーション結果と、理論的解析の両面から電子相関のある量子モデルの性質を考察し、高性能機能材料の機能発現機構の理解を目指す。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度は、メニーコアプロセッサを有した計算機の購入(次年度使用額の46234円は本計算機購入費用の一部に使用する予定)、本研究開発で得られた並列化・高速化技術等のハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)に関する成果および計算機シミュレーションにより得られた物理的結果を会議等で発表のための参加費および旅費、得られた成果を論文誌に投稿するための投稿料、の3項目を中心に研究費を利用する予定である。
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Research Products
(7 results)