2011 Fiscal Year Research-status Report
次世代RFIDシステムのための多次元型電子タグ高速位置推定方式の開発
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23500103
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
和田 友孝 関西大学, システム理工学部, 講師 (20314560)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 博美 関西大学, システム理工学部, 教授 (10093387)
六浦 光一 信州大学, 経済学部, 教授 (00106147)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | RFID / 電子タグ / 位置推定 / センサネットワーク |
Research Abstract |
本研究は,物や人に付加される電子タグの位置情報を3次元空間として高速に取得し,電子タグの付いた対象物の性質・特徴を多次元的に認識する,多次元型認識システムの開発を目的としている.これは,移動型ロボットにこの位置情報獲得機能を持たせ,自動的に周囲の環境を把握し,自律的に人の支援を可能とする新たなシステムの実現も視野に入れている. 本年度は,RFIDリーダの放射範囲を電子的に高速に動かし,電子タグからの応答を得られる範囲の測定を行った.それと同時に送信する電波の電力も可変とすることにより,電子タグの位置を高速で推定する方式の検討を行った.これまでは移動ロボットが位置推定を行うたびに一旦停止して行うことを想定していたが,この場合はスムーズな位置推定ができない.そこで,複数の場所での情報をノンストップで得ることを検討し,電子タグの存在位置を絞り込む方法を提案した.これにより,高速でスムーズな位置推定を行えることが期待できる. また,これまで検討してきた2次元での電子タグ位置推定方式を拡張して,3次元位置推定方式を提案した.RFIDタグの位置推定を行う実験用機器として,UHF帯RFID評価キットを導入し,これとアッテネータを用いて送信電力を制御することにより,3次元空間での位置推定実験を行った.タグの様々な3次元位置を想定した実験を行い,タグの位置推定の誤差,およびタグの位置推定に要する時間を測定した.これにより,3次元空間において電子タグの位置推定を行うための手法を開拓することができた.さらに位置推定に要する時間にはまだ改善の余地があると考えられるため,この課題についても現在検討を行っている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究期間内に明らかにする内容として,以下の3課題を設定している.(1)ノンストップ位置推定 (2)3次元位置推定 (3)モバイルロボットの自己位置推定このうち,(1)の課題は,移動ロボットの連続的な移動を行いながらノンストップでタグの位置推定を行うために,リーダアンテナの通信範囲を適応的に変化させながら効率的に位置推定を行う方式について提案を行った.また,(2)の課題は,従来の2次元ではなく3次元空間内での位置推定を行う方式を提案することができた. これらの2つの課題に対して考案した提案方式をコンピュータシミュレーションおよび実証実験によってその有効性を確かめることができた.
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Strategy for Future Research Activity |
ノンストップ位置推定と3次元位置推定の2つの方式を組み合わせて,RFIDリーダをノンストップで移動させながら,かつ3次元空間上での電子タグの位置を推定する,新たな3次元高速位置推定方式を検討する.RFIDリーダの動作法および送信電力の切り替えタイミングをどのようにすれば3次元空間内でタグの位置推定を効率的に行うことができるかを検討する. また,モバイルロボットの移動距離を大幅に短くし,高速に位置推定する手法を検討する.移動距離を短くした場合には得られる情報量が少なくなるため,それにより位置推定誤差が大きくなると予想される.従って,タグの位置推定誤差の低減方法についても検討を行う.これらをコンピュータシミュレーションと実験の両面から評価を行っていく予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度に使用する予定の研究費は,新たに購入する予定の物品のために少し残しておいたものである.次年度はUHF帯のRFIDシステムをさらに活用するために,簡易型の移動ロボットを導入し,様々な環境において実験を行う予定にしている. また,研究を効率的に推進していくために学生が分担して行うプログラム開発やデータ整理などに謝金を支払う予定である.さらに,研究成果を積極的に国内外の会議において発表していくための旅費として使用する予定である.
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Research Products
(27 results)