2012 Fiscal Year Research-status Report
次世代RFIDシステムのための多次元型電子タグ高速位置推定方式の開発
Project/Area Number |
23500103
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
和田 友孝 関西大学, システム理工学部, 准教授 (20314560)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 博美 関西大学, システム理工学部, 教授 (10093387)
六浦 光一 信州大学, 経済学部, 教授 (00106147)
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Keywords | RFID / 電子タグ / 位置推定 / センサネットワーク |
Research Abstract |
本年度は,前年度に検討したノンストップ位置推定と3次元位置推定の2つの方式を組み合わせて,RFIDリーダをノンストップで移動させながらかつ3次元空間内でのタグの位置推定を行う,3次元高速位置推定方式を検討した.RFIDリーダアンテナがタグを検出した直後に送信電力を低下させて,さらにタグを検出するかどうかを見る.その後さらに送信電力を増加させてタグの検出をサーチし,タグの存在確率を絞り込む手法を検討した.この方法によってモバイルロボットが連続移動を行いながら効率的にタグの位置を推定することができることを示した.また,タグの位置推定に要する時間を短くするため,短時間のリーダアンテナの旋回を用いてタグの存在方向を絞り込み,その方向へ向かうようにしてモバイルロボットの移動距離を短くすることを検討した.タグの位置推定誤差の低減方法については,RFIDリーダの向きを進行方向の前方に傾けて固定し,連続的に移動させながら,アンテナの指向性の変化を利用して通信幅が異なる2つの大きさの通信領域を用いる方法を検討した.これにより,タグの存在位置を効率的に探索することができ,位置推定誤差を減らせることを明らかにした. また,モバイルロボットの目的地へのナビゲーションについても基礎検討を行った.タグの位置推定を行うことができれば,タグの位置をあらかじめ決められた場所に設置しておくことで逆にモバイルロボットの位置を推定できる.壁に等間隔に配置したタグをモバイルロボットに設置したRFIDリーダが読み取りながら自己位置推定を行う手法について検討を行い,壁にぶつからずにモバイルロボットを移動できることを確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究期間内に明らかにする内容として,以下の3課題を設定している. (1)ノンストップ位置推定 (2)3次元位置推定 (3)モバイルロボットの自己位置推定 このうち(1)と(2)の2つの課題に対して考案した提案方式をコンピュータシミュレーションおよび実証実験によってその有効性を確かめることができた. また,(3)の課題についても,壁に等間隔に配置したタグをモバイルロボットに設置したRFIDリーダが読み取りながら自己位置推定を行う手法について検討した.その結果,壁にぶつからずにモバイルロボットを移動できることを確認できた.
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに提案したノンストップ移動型3次元高速位置推定方式を基に,その応用について検討を行う.車椅子に乗っている身体障害者などのナビゲーションに応用することを考える.壁に一定間隔で貼り付けた電子タグがある通路を想定し,モバイルロボットがノンストップで動きながら自身の位置を特定できることを明らかにする.また,電子タグは情報を読み込むだけでなく書き込むこともできるため,モバイルロボットが移動しながら位置情報を書き込むことによって自身の位置情報の精度を高める,多次元型の位置推定法についても検討を行う. 各地点で停止して位置推定を行う従来方式と比較して,提案方式はモバイルロボットの移動に対応して,自己の位置推定時間を短くすることができることを実験により定量的に明らかにする.また,自己の位置推定誤差も実用レベルとなるかどうかを実験により確かめる.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度に使用する予定の研究費は,新たに購入する予定の物品のために少し残しておいたものである.次年度は簡易型の移動ロボットを導入し,廊下の環境において実験を行う予定にしている. また,研究を効率的に推進していくために学生が分担して行うプログラム開発やデータ整理などに謝金を支払う予定である. さらに,研究成果を積極的に国内外の会議において発表していくための旅費や,学術論文としてまとめるための費用として使用する予定である.
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Research Products
(24 results)