2012 Fiscal Year Research-status Report
物流システムに対するプロセス代数を用いた配送監視システムの構築に関する研究
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23500104
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| Research Institution | Kinki University |
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Principal Investigator |
加藤 暢 近畿大学, 理工学部, 准教授 (00330233)
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| Keywords | プロセス代数 / モデル検査 / 海上物流システム / RFID / Ambient Calculus |
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| Research Abstract |
2年目となる24年度は，本研究の最終的な目的であるコンテナ海上輸送システムに対する監視システムの構築と実験を行うための準備として，次の2項目を実施した．
1. 前年度までに行った，港から港へといった，単なる２点間の貨物輸送のモデル化を拡張し，中継港を経由して貨物を輸送する様々な形態の海上貨物輸送をモデル化するシステムを開発した．また，昨年度開発したUHF帯RFID機器を用いた貨物の移動を検知するシステムと組み合わせ，物流を監視するシステムを構築し，その実証実験を屋外にて行った．この結果を，豪州メルボルンで開かれた査読付き会議 The 15th International Conference on Network-Based Information Systems(NBiS-2012)にて発表した．
2. 本研究でこれまでモデル化のために使用してきたAmbient Caluculus は，物流システムのような動的な階層構造を持つ対象物のモデル化に適した言語ではあるが，物流全体を単一のプロセス式でモデル化するため，プロセス式が複雑になりがちであり，取り扱うコンテナの追加や削除の際に式全体を修正しなければならなかった. そこで昨年度，この欠点を克服するための言語である多重Ambient Calculus(MAC) を提案した．本年度は，1. で説明した物流監視システムのモデル化の部分をMACに置き換え，より実用性の高い監視システムを構築した．この結果を情報処理学会プログラミング研究会にて発表するとともに論文投稿も行い，条件付き採録となった(共著ただし主著以外)．
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的はプロセス代数を用いた物流システムのモデル化と，そのモデル及びRFID機器を用いた物流監視システム構築である．この目的達成のため本年度は複雑な経路をモデル化できるシステム，およびUHF帯RFID機器を用いて数メートルの距離を隔てた貨物の移動を検知し，モデルに沿って物流を監視するシステムの構築，及び自動車をコンテナに見立てて行った屋外実験の実施が達成できた．また査読付き国際会議にて発表することができた．
当初の計画ではモデル化のための言語としてAmbient Calculusを用いる予定であったが，研究の過程で既存のAmbient Calculusでは不十分であることが判明した．そこで本年度後半では，昨年度発表し論文採択された多重Ambient Calculusを用いて，実際に物流システムをモデル化するシステム，及びそのモデルに沿って物流を監視するシステムを構築し，屋外実験によりその実現性を確認した．またそれらの成果を情報処理学会研究会で発表し，同時に投稿した論文が条件付き採録された．
以上の成果により，概ね当初の計画通り順調に研究は進捗している．
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| Strategy for Future Research Activity |
本システムの実証実験のため現在所有しているRFID機器は4組である．25年度はもう一組を購入する．これらにより，出発港，中継港，到着港 でのコンテナ移動を検知することができるようになり，より実際の物流システムに近い形での実験が行えるようになる．最終年度である25年度は，本システムの安定性，実用性を高める研究を行うと同時に，様々な輸送形態のモデル化及び屋外実験を重ね，本システムの完成を目指す．
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| Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
25年度は本格的な実証実験を実施するために必要となるRFID リーダライタ装置 三菱RF-RW004の本体のみ1台を60万円で購入予定である。アンテナ部分は既存のものを流用する。また、研究発表のための旅費30万円を合わせて予定している．
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