2013 Fiscal Year Annual Research Report
物流システムに対するプロセス代数を用いた配送監視システムの構築に関する研究
Project/Area Number |
23500104
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
加藤 暢 近畿大学, 理工学部, 准教授 (00330233)
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Keywords | プロセス代数 / モデル検査 / 海上物流システム / RFID |
Research Abstract |
コンテナ海上輸送システムに対する自動的な輸送監視システム構築にあたり得られた主な成果は以下の3点である。 1[物流システムのモデル化]: 物流に於ける貨物の取り扱いは全て物流書類に基づいて行われている。この物流書類から,自動的に物流システムを形式言語である多重Ambient Calculusでモデル化するソフトウェアを開発した。これにより,複雑に入り組んだ構造をもつ物流システムの性質の数学的な解析が可能となった。 2[RFID機器による監視システムと多重Ambient Calculusの分散処理系]: 実際の物流の現場で監視活動が可能となるよう,UHF帯RFID機器を用いたプロセス式の読み取り,書き込みが可能なソフトウェアを開発した。さらに,多重Ambient Calculus のネットワーク移動を含む遷移が可能な処理系の開発を行った。これらのソフトウェアにより,1: で述べた物流システムのモデルをICタグに書き込み,RFID機器で検知した実際の物の動きとモデルの自動的な対比が可能となり,物流監視システムとしての基本的な仕組みを整えることができた。 3[統合開発環境の実現]: コンテナが複数の船を乗り換えて目的地に送られるなど,一般的な輸送に対する監視を行えるようにし,実際の海上物流の現場での実証実験を行うためには,モデル化に用いるAmbient Calculus のプロセス式をより洗練させる必要があることが様々な屋外実験を通して明らかになった。そこで最終年度は,プロセス式をより効率的に記述できるような,グラフィカルエディタ機能や分散環境上でのデバッグ機能,Javaプログラムの転送機能などを備えた統合開発環境の開発を行った。その成果を国際会議WSEASにて発表し,その完成版を情報処理学会プログラミング研究会にて発表した。また同時にジャーナルへの投稿も行い現在査読中である。
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