2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23500134
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
盛川 浩志 早稲田大学, 理工学術院, 助教 (90386673)
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Keywords | クロスモーダル / 錯覚 / バーチャルリアリティ / コンテンツ / 触覚 / HMD |
Research Abstract |
本研究課題では、視触覚刺激のクロスモーダル刺激による触運動錯覚の呈示手法を、新しいコンテンツ表現へ応用することを目的とし て、刺激の表現技術の開発やその評価方法について、検討を行っている。 平成24年度の研究においては、シースルー型のヘッドマウントディスプレイ(HMD)を用いた、新たな触錯覚の呈示方法を開発し、その基礎的な知見について検討を行った。錯覚呈示については、映像呈示装置であるHMDのハードウェア的な要件と、視覚刺激として呈示する映像コンテンツの要件を明らかにすることが必要である。また、錯覚によって得られる触感の特性についても検討が必要であると考えられた。そこで、錯覚呈示に用いるHMDに求められる要件や、呈示する触錯覚の特性および呈示する視覚刺激による影響などについて、実験的な検討や展示会においてのデモ展示による大規模調査を行った。その結果、両眼立体視での映像呈示が有効であることや、触感を想起しやすいイメージの呈示によって、錯覚の誘発度や印象を操作できる可能性などが示唆された。 実験によって得られたこれらの知見は、触錯覚を利用したメディアコンテンツの開発に対して有効であると期待された。近年HMDが情報呈示端末として世界的から注目を集めており、HMDを有効に活用するコンテンツを開発することに対し、本研究の知見が応用可能であると考えられる。次年度の研究としては、HMDでの触錯覚呈示を利用した具体的なコンテンツの提案や、スマートフォンに代表される、HMDに限らないユビキタスデバイスへの応用方法についても検討を行っていく。 また国際的にもこれらのデバイス、および錯覚を用いたユーザエクスペリエンスの構築に注目が集まっていることから、成果の公開についても積極的に行い、成果を早期に社会に還元できるようアピールを行っていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の目的である、触錯覚を持ちたコンテンツの構築について、新たな錯覚呈示方法や構成に関する知見を多く得られたことから、おおむね順調に研究目標を達成できていると考える。特に、近年の情報技術分野において注目を集めつつある、HMDやスマートフォンといったユビキタスコンピューティングデバイスが、本研究が提案する錯覚コンテンツのプラットフォームとして親和性が高いことから、今後のメディアコンテンツの基盤技術としての発展も期待できる。他方で、錯覚体験の評価方法についての検討を進める中、より客観的な指標での評価が求められた。生体信号やタスクパフォーマンスなどによる評価についても、引き続き検討を行っていく。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度の研究によって得られた知見は、触錯覚を利用したメディアコンテンツの開発に対して有効であると期待された。近年HMDが情報呈示端末として世界的から注目を集めており、HMDを有効に活用するコンテンツを開発することに対し、本研究の知見が応用可能であると考えられる。次年度の研究としては、HMDでの触錯覚呈示を利用した具体的なコンテンツの提案や、スマートフォンに代表される、HMDに限らないユビキタスデバイスへの応用方法についても検討を行っていく。 また国際的にもこれらのデバイス、および錯覚を用いたユーザエクスペリエンスの構築に注目が集まっていることから、成果の公開についても積極的に行い、成果を早期に社会に還元できるようアピールを行っていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
ユビキタスデバイスでのコンテンツ開発や実装についての可能性が示されたことで、より高度な開発環境が必要であると考えている。視覚刺激である映像についても、そのクオリティが錯覚発生に影響を与えると想定されることから、コンピュータグラフィックス制作環境なども整備していく。また、今後登場してくると考えられるデバイスに対しても、早期に実装の取り組みを行うべく、ラピッドプロトタイピングやフィジカルコンピューティング開発環境も必要であると考えられる。 海外での成果発表も行っていくことも視野にいれ、バランスのとれた予算計画のもとに研究を遂行していく。
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Research Products
(1 results)