2012 Fiscal Year Research-status Report
ブロガーの熟知度分析およびセンチメント分析とその応用に関する研究
Project/Area Number |
23500140
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
中島 伸介 京都産業大学, コンピュータ理工学部, 准教授 (90399535)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
張 建偉 筑波技術大学, 産業技術学部, 助教 (20635924)
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Keywords | Webマイニング / ブログマイニング / 情報推薦 |
Research Abstract |
本研究は,ブログコンテンツの価値や位置付けを判断するためには,どのような特性のブロガーが発信した情報なのかを明らかにすることが重要であると考え,精度および詳細度の高いブロガー分析手法の開発を目的としている.さらに,情報発信者および情報受信者としてのブロガー分析に基づく,信頼性の高い情報の判定技術,トレンド情報の抽出技術,ブロガーのプロファイリング技術とこれに基づく高度の情報推薦技術の開発に取り組んでいる.このような取り組みはこれまでは十分にはなされておらず,本手法を開発することの意義は大きいといえる.24年度は,23年度までの成果に基づいて,以下に示す研究を行った. <精度および詳細度の高いブロガー分析手法の開発> 前年度に実装および実験に基づいた考察を行った結果を受けて,さらに精度および詳細度の高いブロガー分析手法の開発に取り組んだ.具体的には,熟知度を算出可能な領域数を拡充すると共に,熟知度算出時に使う関連語辞書の改良,およびセンチメント分析精度を向上に取り組んだ. <情報発信者としてのブロガー分析に基づく情報システムの開発> 前年度までの取り組みに引き続き,情報発信者としてのブロガーの熟知度やセンチメント分析結果に基づいた情報システムとして,ブロガーおよびブログ記事のランキング,流行語の早期発見方式,流行語を早期に発言するブロガー発見方式を提案し,各手法の有効性を確認した. <情報受信者としてのブロガー分析に基づく情報システムの開発> 各ブロガーの特性分析を行うシステムを活用し,これを用いた情報推薦方式開発に取り組んだ.応用例として,情報受信者の状況(コンテキスト)や情報受信者の振る舞いに応じた推薦手法についても検討を進めた.さらに応用システムとして,投稿型レシピ検索システムやコスメクチコミ推薦システムを取り上げ,新たな推薦手法の開発に取り組んだ.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題では,これまでの研究で行ってきた,各ブロガーがどのような分野に詳しいのかということを表す“熟知度”の算出と共に,どのような感情(センチメント)で表現したのかを分析することに基づくブログランキングシステムの開発を踏まえ,さらなる分析精度の向上と,このブロガー分析技術を応用したアプリケーション開発を進めることを目指している.これを踏まえ,以下の3項目に絞って研究開発を行っている. 「精度および詳細度の高いブロガー分析手法の開発」では,熟知度算出方式とセンチメント分析方式の改良を踏まえたブロガー分析手法の精度向上を目指している.23年度はセンチメント分析について若干の遅れがあったが,24年度は新たに研究分担者を追加することでこの遅れを取り戻すことができた. 「情報発信者としてのブロガー分析に基づく情報システムの開発」では,特に流行語の早期発見方式,流行語を早期に発言するブロガー発見方式の開発において,学術論文への採択など研究成果を得ており,当初の計画通りに進展しているといえる. 「情報受信者としてのブロガー分析に基づく情報システムの開発」では,情報受信者の状況(コンテキスト)や情報受信者の振る舞いに応じた推薦手法についても検討,さらに応用システムの一つとして,投稿型レシピ検索システムやコスメクチコミ分析および推薦システムを取り上げ,新たな応用分野における推薦手法の開発にも取り組んだ.これらの研究は当初の研究計画に具体的な記載はしていなかったが,本研究の発展的な応用テーマであり,重要な取り組みであると考えている. 以上より総合的に評価して,おおむね順調に進展しているとした.
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Strategy for Future Research Activity |
「精度および詳細度の高いブロガー分析手法の開発」では,これまでの研究成果をブログ検索システム等へ応用していくことを検討している. 「情報発信者としてのブロガー分析に基づく情報システムの開発」では,特に流行語の早期発見方式,流行語を早期に発言するブロガー発見方式に関する研究を進め,実用技術に発展させていくことを検討している. 「情報受信者としてのブロガー分析に基づく情報システムの開発」では,投稿型レシピ検索システムやコスメクチコミ分析および推薦システムのような応用テーマに関する研究成果を得ているので,これをさらに推進させ,実用化に向けた検討を行う予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初計画よりも進展があったため,平成25年度に投稿予定であった査読付き学術論文(情報処理学会論文誌データベース)への投稿を平成24年度中に行うことになった.その後,この投稿論文が採択され,論文誌掲載料を支出する必要がでてきたため,前倒し支払い請求を行った.最終的に論文誌掲載料が確定した際に前倒し請求額との差額が生じたため,研究代表者の予算にて,次年度使用額が236,392円となった.この次年度使用額は,25年度にて主に国内および国際会議発表用の旅費として支出する予定である. また,研究分担者(張)の予算に関しては,当初国内の研究会発表を行う予定であった研究成果を,25年度に国際会議論文として発表することにしたため,国内研究会発表用の旅費を繰り越し,25年度に国際会議発表用の旅費として支出することにしたため,次年度使用額が100,376円となった. 以上より,次年度使用額の合計が,336,768円となった.
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