2012 Fiscal Year Research-status Report
日常的コミュニケーションの行動分析に基づく人間関係形成支援ツールのデザインと評価
Project/Area Number |
23500158
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
武川 直樹 東京電機大学, 情報環境学部, 教授 (20366397)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 敦 東京電機大学, 情報環境学部, 助教 (90462530)
井上 智雄 筑波大学, 図書館情報メディア研究科(系), 准教授 (40307666)
湯浅 将英 東京電機大学, 情報環境学部, 助教 (80385492)
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Keywords | ユーザインタフェース / コミュニケーション / 相互行為モデル / 支援システム / 共食 |
Research Abstract |
H24年度は,日常的コミュニケ―ション行動として前年度に収録した実空間共食と映像を介した共食映像をもとに共食コミュニケーションの書き起こしを継続し,分析を行った. まず,実空間における3人の共食会話を対象に共食映像から参与者の視線,発話の行動を定量的に分析し,共食会話の構造を分析した.分析の結果,共食中は食事のない会話に比べ会話に対する参加の義務が緩く,発話の獲得は誰もが可能な場として形成されていることが示唆された.この成果は電子情報通信学会論文誌に掲載された. 映像会話システムを介した3人の共食を対象に会話分析の手法に基づき分析を行った.その結果,参与者の顔向き情報を正確に伝えることにより誰が誰に話しているかが明確で,かつ映像・音声の遅延がないようデザインされたシステムを用いれば実空間における共食会話と差がない会話ができることが示唆された. 地理的に離れている,生活パターンによって生活時間を共有できないなどの要因などから同時に食卓を囲めない近親者同士をビデオメッセージでつなぎ,擬似的に共食するビデオコミュニケーションシステムKIZUNAを開発した.メッセージ中の人物の食事の進捗状況を同調させることによって,共食をしている効果の向上に寄与した.成果は本分野で戦略的国際会議として位置づけられるCSCW2013に採択された. また,収録した共食映像と書き起こしデータをプロジェクト外の研究者に提供した結果,国際会議,論文の成果がでており,本研究分野の広がりに寄与していることも成果として特筆される.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
日常的なコミュニケーションとして,対面会話,映像会話,共食会話,映像共食会話,SNS環境のコミュニケーションを多面的に分析した.これらの結果を基に,遠隔映像共食システムのデザインの設計パラメータの基礎データが蓄積されている.共食インタラクションモデルの構築,遠隔共食システムについては順調に成果がでているが,今後,エージェントやロボットと人の共食実験の評価に向けて研究を加速させたい.
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度において実空間共食,遠隔映像システムを用いた共食の行動モデルを構築するため書き起こしを継続するとともにデータの定量的,定性的分析を進める.そのため書き起こし,分析支援のアルバイト要員を雇用する.映像共食では視線一致,伝送遅延の影響を分析評価して,システム設計記述としてまとめる.さらにこれまでに得られた共食の分析結果に基づき,人の食事コミュニケーションを支援するロボットの動作をデザインして,人とロボットのコミュニケーション実験を実施し,効果を評価する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
初年度に収録した会話映像のトランスクリプトを終了させ,データの整理を前半に終了させる.そのための熟練者を8月までアルバイトに雇用し,その人件費に当てる.
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Research Products
(15 results)