2011 Fiscal Year Research-status Report
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23500159
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Research Institution | Tokyo City University |
Principal Investigator |
包 躍 東京都市大学, 知識工学部, 教授 (20283103)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | レンチキュラーレンズ / 多層化 / 奥行き感 / 3D画像撮影法 |
Research Abstract |
本研究はピッチの粗いレンチキュラーレンズと焦点近傍での画像多層化により、従来のレンチキュラーイメージより遥かに深い3次元奥行感を提供することを目的とする。予測される問題点の一つはレンチキュラーレンズの焦点近傍での画像多層化であるが、この対策として繰り返し段差を持つ立体形状拡散板をスクリーンとして導入し、画像のずれを抑制しながらこれまでにない超深い3次元奥行き感を提供可能なレンチキュラー式3次元画像表示を実現させる。本年度は表示装置においては、レンチキュラーレンズの焦点近傍での画像多層化部の構築、画像取得においては、CGによる画像生成とレンチキュラーを用いた画像撮影法について研究を行った。まず、繰り返し段差を持つ立体形状スクリーンの設計、比較、作成をした。次に、点光源(高輝度LED)、液晶パネル(組込用液晶モニターキット)、レンチキュラーレンズを用いて3D画像投影システムを構築した。さらにCGソフトで3D画像をレンダリングしてレンチキュラーイメージを作成し、デプスマップを元に画像を奥行き分割し、奥行き分割した画像を水平な細線にして繰り返し並べ、表示用の画像を合成する画像処理ソフトを制作した。最後に、上記の繰り返し段差を持つ立体形状スクリーン、3D画像投影システム、表示用の画像を合成する画像処理ソフトで合成した表示用画像を用いて影絵方式の3D画像表示システムを構築し、構築したシステムを用いた確認実験を行った。その中で、実環境の画像を取得するため、レンチキュラーレンズを用いて3D画像撮影法を考案し、実際に撮像・表示実験を行うことにより考案したレンチキュラー式3D画像撮影法の有効性を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(1)繰り返し段差を持つ立体形状スクリーンを作成した。(2)点光源(高輝度LED)、液晶パネル(組込用液晶モニターキット)、レンチキュラーレンズを用いて3D画像投影システムを構築した。(3)CGソフトで3D画像をレンダリングしてレンチキュラーイメージを作成し、デプスマップを元に画像を奥行き分割し、奥行き分割した画像を水平な細線にして繰り返し並べ、表示用の画像を合成する画像処理ソフトを制作した。(4)上記(1)(2)(3)を用いて影絵方式の3D画像表示システム作成し、作成したシステムを用いて確認実験を行ったためおおむね順調に進展していると判断できる。その上、実環境の画像を取得するためのレンチキュラーレンズを用いて3D画像撮影法を考案し、実際に撮像・表示実験により考案した方法の有効性を検証した。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度は影絵方式の原理確認実験の結果を整理し、装置の構成、パーツの製作手段などについて検討する。特に繰り返し段差を持つ立体形状スクリーンについては、レーザー彫刻や光造形など、各種の方法を用いて試作・検討を行い、最適な作成手段の確立を行う。その後、プロジェクターを用いるシステムを試作する。この場合、レンズのディストーションが、各段に対応する線画像をどう正確に投影するかが主な課題になると考えられる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
23年度の実験は原理確認が主な目的であるため、購入予定の光学定盤などを購入せず簡易的な実験システムを構築した。24年度は精密にセッティング可能な実験システムを作成する必要があるため、24年度に請求する研究費の当初計画に加えて、23年度購入予定で購入しなかった光学定盤なども購入する。
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Research Products
(2 results)