2012 Fiscal Year Research-status Report
コンパクトな論理記述に基づく協力ゲーム理論の再構築
Project/Area Number |
23500166
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
櫻井 祐子 九州大学, システム情報科学研究科(研究院, 准教授 (10396137)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横尾 真 九州大学, システム情報科学研究科(研究院, 教授 (20380678)
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Keywords | 人工知能 / マルチエージェントシステム / ゲーム理論 / 協力ゲーム / 情報ネットワーク経済 |
Research Abstract |
本研究では,本研究では,従来の協力ゲーム理論の概念を大規模なネットワーク環境においても実装可能なアルゴリズムに展開させるために,二分決定グラフに代表される論理関数のコンパクトなグラフ表現の技法を応用し,協力ゲーム理論の再構築を行うことを目的とする.協力ゲームの代表的なゲームの記述方法として提携形ゲームがある.提携形ゲームでは,提携に属するエージェントが協力することによって得られる利得を特性関数で与える.従来,特性関数はブラックボックスの関数で記述されることを仮定している.単純に表形式 で記述する場合,n人のエージェントが参加する提携形ゲームでは特性関数の記述に2nの記述量が必要となる.このように,表記量が指数的な問題を扱うことは非現実的である.特に,問題や知識の表現方法によって,表現コストや問題を解くコストが大きく変化するため,表現の簡略化のための基盤技術として,人工知能の技術を適用されることが多い. 平成24年度は,チーム構成を行う際にエージェント間に外部性が生じる場合を対象にし,どのようにチームを構成すべきか,チームメンバに対してどのようにコスト配分方法を決定すれば,真実申告を保証することができるかの検討を行った.これらの研究成果は,国内学会にて発表するとともに国内学会誌に投稿した.また,エージェントの選好が複雑な場合の最適な割当てを実現するために,グラフ表現を用いた簡略化表現手法の提案を行い,人工知能分野のトップカンファレンスの一つである国際会議で発表を行った. さらに,平成23年度の研究成果である,ゼロサプレス型二分決定グラフ (ZDD)の一種である,多分岐ZDD (Multi-terminal ZDD, MTZDD)を適用した,特性関数の簡略化表現手法の拡張を行い,国際論文誌への投稿準備を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
情報経済の計算量や記述量の課題を克服し,ネットワーク社会に対応可能な協力ゲーム理論の再構築を行うという研究の最終目標に対して,本年度は,本研究課題の中間期間として,初年度の成果を拡張するとともに,より複雑な問題を解決するために研究を推進し,国際会議発表や国内論文誌投稿を行った. 具体的には,エージェント間で外部性が存在する場合のメカニズムの設計を行った.これらの研究成果は,国内学会にて発表するとともに国内学会誌に投稿した.また,エージェントの選好が複雑な場合の最適な割当てを実現するために,グラフ表現を用いた簡略化表現手法の提案を行い,人工知能分野のトップカンファレンスの一つである国際会議で発表を行った.さらに,平成23年度の研究成果の特性関数の簡略化表現手法の拡張を行い,国際論文誌への投稿準備を行った. また,国内学会論文誌において,ゲーム理論に関するチュートリアルを共著者として執筆し,一般向けへ本研究課題に関する研究テーマを理解してもらうための普及活動も行った.
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は,最終年度として,これまで提案したアルゴリズムの評価実験の補強とその結果に基づく改良,さらにはより複雑な状況を対象可能なアルゴリズムの提案を行う.また,これまでの研究成果をまとめることに注力する. 具体的には,エージェント間での効用が金銭等で譲渡不可能な場合などを対象にした簡略記述法の提案を行うとともに,ネットワーク環境での不正行為を考慮した解概念の求解アルゴリズムの開発を行う.さらに,提案したアルゴリズムの性能を様々なモデルの下で計算機実験による評価を行い,実用上の課題を明示化し,更なる効率化の向上のためのアルゴリズムの改良を行う.特に,ネットワーク環境でのエージェントらのチーム構成やタスク配分など,実問題に基づくモデルにおいて効率的に配分問題を求解可能かどうかを調査し,提案アルゴリズムの改良を行う. 研究成果については,国際論文誌への投稿,国内学会での発表,国内論文誌への投稿など,これまでの一連の研究成果をまとめ,研究成果をアピールする.さらに,平成24年度に共同執筆したゲーム理論に関するチュートリアルをまとめ,書籍化に向けて執筆を行う.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
提案手法を大規模な問題設定の下で性能評価するために,大容量のメモリが搭載されたワークステーションを購入する.消耗品として,ワークステーション用のソフトウェアを購入するとともに,関連書籍の購入を行う.さらに,旅費として,国際会議発表のための海外出張費,連携研究者である北海道大学 湊教授とのディスカッションのための研究打ち合わせ費,成果発表のための国内学会発表等の国内出張費を計上する. また,国内論文誌掲載料,国際会議,国際論文誌投稿のための英文添削費を計上する.
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Research Products
(8 results)