2013 Fiscal Year Annual Research Report
対応する色再現のための光源色推定と画像への順応度評価の研究
Project/Area Number |
23500223
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
田島 譲二 名古屋市立大学, システム自然科学研究科, 教授 (50381900)
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Keywords | 光源色推定 / カメラ特性補正 / 色順応 |
Research Abstract |
本研究では、二色性反射モデルを利用してカラー画像から光源色を推定し、それを用いてカラー画像の色補正を行なうことを目指している。本来、二色性反射モデルが成り立つ一色の物体では、表面色の色度は色度図上では一直線上に並び、異なる色の複数の物体から得られる直線は一点で交わるはずである。しかし、これが一般のデジタルカメラから得られた画像では成り立っていない。 まず、二色性反射モデルが成り立つ典型的な物体である、数色のプラスティック製品について、反射色を分光放射輝度計で測色したところ、二色性反射モデルは十分正確に成り立っていることが分かった。しかし、実際の画像を用いたものでは、一眼レフレベルの高品質の画像によっても、電灯色の場合にはかなりの誤差を生じている。そのため今年度は、主目的である“光源色の推定”だけでなく、“デジタルカメラの入力特性の補正”を同時に行なうことを研究目的に加えた。 カラー画像を撮影したrawモードの画像データを利用し、それを観察しながら手動セグメントした画像データを収集してデータ解析を行なった。三種類のカメラの電灯色画像で同様の色度分布が得られることから、adobeRGBのそれぞれの成分について、特性を通常用いられるS字カーブで補正していると仮定し、その推定パラメータを双曲線関数で近似して探索することを試みた。その結果、三種類の内二種類では光源色推定の結果が改善された。残りの一種類のカメラの特性は双曲線関数では補正しきれず、この補正によって、電灯色光源下の画像全体の色が誤った方向に変化した。このカメラの特性は双曲線関数で近似できないようであり、そのような一般の特性の補正は今後の課題である。
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