2012 Fiscal Year Research-status Report
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23500236
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Research Institution | Sasebo National College of Technology |
Principal Investigator |
志久 修 佐世保工業高等専門学校, 電子制御工学科, 准教授 (00235516)
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Keywords | 文字認識 / 情景画像 / 射影ひずみ |
Research Abstract |
本研究では、文字列を斜めから撮影した場合に生じる射影歪みに対して、ロバストな文字認識アルゴリズムの開発を行っている。歪みを補正する場合、近接する複数の文字の形状を用いて、歪みの程度を調べている。具体的には、注目する文字成分を中心とし、位置的に近接する数個の文字成分を使って、文字列の方向、文字の傾斜角度、文字列の高さを調べていた。情景画像のように複雑な背景成分が混在する画像では、注目する文字成分の周りに文字以外の背景成分が存在する場合があり、それらの背景成分を文字成分と誤って判断して、文字列の方向等を正しく求められない場合があった。そこで、本研究では、一般的に一つの文字列はほぼ同色で、ほぼ同じようなフォント形状の文字から構成されていることに注目した。すなわち、注目する文字成分に近接する文字成分の条件に同色で、かつ形状の類似性の条件を追加した。画像から、同色の細長い領域を文字成分として抽出するための方法、近接している二つの成分の形状が似ているかどうかを判定する方法を開発した。これらの方法を用いて実際の画像100枚(文字列総数206個)を用いて実験を行った。実験の結果、近接する文字成分の条件に色とフォント形状を使わない従来法では、再現率85%、適合率60%であったのに対し、色とフォント形状を条件に入れた提案法では再現率96%、適合率63%と、再現率、適合率ともに向上した。今後は、さらに多くの画像を用いて、本方法の性能を調べ、さらに改良していく必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、文字列を斜めから撮影した場合に生じる射影歪みに対して、近接する複数の文字の形状を用いて、歪みの程度を調べている。従来は位置のみで近接する文字成分を選んでいたが、本研究では色と形状にも注目して文字成分を選ぶように改良した。その結果、従来の方法に比べ、再現率、適合率ともに向上することが分かった。すなわち、従来よりも高精度に文字が認識できるようになったため、順調に進展していると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
現在は直平面上の文字列を対象としているが、今後は曲面上の文字列に対しても、対応できるように認識方法を検討していく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
実験環境を整えるための設備としてパソコン、ディジタルカメラ、画像保存用記憶装置塔を購入する。また研究に対する情報収集や研究発表、および本実験結果に対するアドバイスを得るための出張を行う。
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