2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23500261
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Research Institution | Miyagi University |
Principal Investigator |
茅原 拓朗 宮城大学, 事業構想学部, 教授 (00345026)
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Keywords | マルチモーダル / 表情認知 / 音声 / 反応時間 / 心理物理学 |
Research Abstract |
平成25年度は、PGR(PsychoGalvanic Reponse)計測装置も用いて、主に後景音の情動への影響を検討し、前景音を含む雰囲気音生成のモデル化を行う予定であったが、その中で、前景音は視野内の視覚オブジェクト独立ではあり得ず後景音の影響は前景の音のみならず視覚情報にまで及ぶ可能性が明らかになってきた。 そこでまず音として明確な意味を含む音声と表情を聴覚刺激と視覚刺激として用い、これらを同時に提示した場合、前景となる視覚刺激(表情)に対して音声がどのような影響を与えるかを、音声の意味と表情の種別のネガティブさポジティブさを様々に変化させながら、主に表情認知の際の反応時間と正答率を指標として検討した。その結果、まず基本的な知見として表情と音声の意味のネガティブさとポジティブさが矛盾しているときに有意に反応時間が長くなり、音は前景となる視覚刺激の意味性にも影響を与えることが明らかになった。また、被験者の性別によって音声が表情判断に及ぼす影響が異なるという新たな可能性についても明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
着実に知見は積み上がっているが、今年度計画ではPGR(PsychoGalvanic Reponse)計測装置も用いて主に後景音の情動への影響を検討し前景音を含む雰囲気音生成のモデル化を行うことを目指していたのに対し検討事項を若干変更したこと、そのため外部への成果発表にまで至らなかったことなどから考慮して、(3)やや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
前景オブジェクトが視聴覚情報によってマルチモーダルに構成された場合の検討を主におこなって、ここまでの成果を総合し少なくとも定性的なモデル化ができるように研究を進める。また、本課題の経過を踏まえ、本課題をさらに発展させた研究が今年からスタートしているため、そちらとの接続も考慮しながら連携して進めていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度は、PGR(PsychoGalvanic Reponse)計測装置も用いて、主に後景音の情動への影響を検討し、前景音を含む雰囲気音生成のモデル化を行う予定であったが、その中で、前景音は視野内の視覚オブジェクト独立ではあり得ず後景音の影響は前景の音のみならず視覚情報にまで及ぶ可能性が明らかになってきた。そこで計画を変更し、特に前景情報として視覚情報も導入したマルチモーダルな実験を行うこととしたため、次年度使用額が生じた。 前景情報が視聴覚情報によってマルチモーダルに構成された場合の検討を行うため、主に視覚刺激作成・提示のための物品を追加整備し、成果を国内外の学会・会議等で公表することとし、次年度使用額はその経費に充てることとしたい。
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