2011 Fiscal Year Research-status Report
多様な顧客要望に対応するファジィ情報統合モデルに基づく製品デザイン支援
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23500271
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
領家 美奈 筑波大学, ビジネスサイエンス系, 准教授 (10303348)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 感性評価 / ファジィモデル |
Research Abstract |
顧客の製品に対する感性的、文脈的要望(購入する目的や使用する場面・状況など)を統合する「ファジィ情報統合モデル」を構築し、それに基づくデザイン支援手法とプロトタイプシステムを開発する。その目的のため、3つの問題を解決する。(1)相互影響がある感性的要望と文脈的要望を同一に扱うためのファジィモデルの検討、(2)様々な要望を統合して製品に順序付けを行うための適切な統合化オペレータの検討、(3)順序付けられた製品群のデザイン属性から要望に対して適切に対応できる最小有効多様性を持ったデザイン属性の組合せ発見法の開発である。これらに基づきプロトタイプシステムを開発し実データにより理論を検証・精緻化する。平成23年度は、研究実施計画にのっとり、製品・感性ワード・文脈選定から始め、被験者募集をかけて感性評価実験を行い実データの収集を行った。そして情報統合オペレータについてOWAオペレータ等を中心に検討を行っている。感性評価実験では評価対象として石川県在住の連携研究者らの協力のもとに石川県の代表的伝統工芸品である、九谷焼のコーヒーカップを選定した。伝統工芸品としての九谷焼はさまざまな伝統的文様と主たる色彩がありデザイン要素として抽出できる。本実験では実店舗へのインタビューを行ない、多様な要望を持つ顧客に人気のある、伝統的な九谷焼である製品と若手・中堅作家を中心とする現代的デザインを取り込んだ九谷焼コーヒーカップを収集し評価対象とした。感性ワードと文脈選定について文献調査およびデザイン関連実務経験者にインタビューし決定した。さらに個々の評価対象について複数の総合評価項目を設け、それらを用いて感性評価実験を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
東北地方太平洋沖地震ののち、人々の購買意欲減退、厳しい節電のため、被験者募集が困難であった。さらには、評価対象を扱っている店舗で日頃から慣れ親しんでいる店員のような、評価対象に対して知識や興味・関心と多様な要望を持った被験者の収集が困難であった。実店舗が忙しい時期の感性評価実験を避けるため感性評価実験の実施時期を考慮したが、人数は十分集まらなかったと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
ひきつづき、研究計画にのっとり、情報統合オペレータの検討についてより幅広く、文献収集を行う。また、できるだけバラエティに富んだ感性評価データ収集のため、被験者開拓の機会探索を行なう。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
感性評価実験時期が遅れたため、データ入力などに関する実験補助者への謝金のペースも遅れた状況である。よって24年度にて、ひきつづきデータ入力などに関する謝金を支払う。また、研究資料・文献収集、連携研究者との研究打合せ、および学会発表などを行なう。
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Research Products
(1 results)