2013 Fiscal Year Annual Research Report
進化計算の高速化を実現するGPGPU基盤ソフトウェアの開発
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23500285
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
藤本 典幸 大阪府立大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (90294165)
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Keywords | GPGPU / 進化計算 |
Research Abstract |
本研究の目的は,現在注目されており将来も有望な並列計算プラットフォームであるGPUを用いて,様々な問題に応用できる進化計算を高速に実行するための一般的手法・方法論を世界に先駆けて開発することである.進化計算は,個体の集団に対して操作を繰り返して解を探索するアルゴリズムの総称であり,遺伝アルゴリズムなど,いくつかの手法がある.ところで遺伝アルゴリズムは,解候補を表現する複数の個体に遺伝的操作を施すことを繰り返すアルゴリズムであり,各個体に対する処理は独立であるので,個体処理間に自明な並列性がある.しかし,2次割当て問題や巡回セールスマン問題などの,多くの問題で用いられる個体数は,局所探索を併用する性能のよい遺伝アルゴリズムの場合は,数十から数百程度である.このため1個体の処理を1スレッドで実行する単純な並列化を行うと,遺伝アルゴリズム全体で用いるスレッド数が高々数十から数百程度で抑えられてしまうが,これではCUDA対応GPUが必要とする数万スレッドに満たない.このため,GPUは価格性能比が非常によい魅力的な計算プラットフォームとして現在注目されているが,進化計算についてはGPUを単純に適用することが難しい. 本年度は,よい局所探索手法が知られていない組み合わせ最適化問題を対象に,遺伝アルゴリズムをメタヒューリスティックとして使用する場合を想定して,遺伝的操作自体を効率よく並列化する手法について研究を行った.その結果,GPUを用いて巡回セールスマン問題に提案手法を適用するとCPUの1コアのみを用いる場合と比べて最大101倍の高速化が可能であることがわかった.この成果は国際会議CEC2013の口頭発表[1]に採録された. [1] Noriyuki Fujimoto, Shigeyoshi Tsutsui: Parallelizing a genetic operator for GPUs. IEEE Congress on Evolutionary Computation 2013: 1271-1277
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Research Products
(6 results)