2011 Fiscal Year Research-status Report
高度IT人材スキル獲得を目標とする学習マネジメント環境
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23500311
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
湯浦 克彦 静岡大学, 情報学部, 教授 (60517019)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 博 静岡大学, 情報学部, 教授 (60326014)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 高度IT人材 / 知識ベース / 情報共有 / SNS |
Research Abstract |
[人材スキル知識の調査と知識ベース化・投稿情報分析利用] 約100名の高度IT人材の活躍・成長過程や彼らが関与する約100の最新の製品・サービスに関して記述した記事を収納した知識ベース(IT人材WIKI)を構築し、静岡大学情報学部の学生たちに公開した(http://www22.atwiki.jp/itjinzaizou/)。またこれらの記事に関する学生の感想を収集し、匿名化した上で、学習項目との関係付けやキーワードによるタグ付けを行ってIT人材WIKIに含めて公開した。 また大学の演習科目において体験的に獲得できる学習項目に関する情報を知識ベース化するために、モデリングおよびプロジェクト・マネジメントの2つの演習科目を例として、演習成果とその評価情報を共有するシステムを構築し、授業での利用を開始した。 一方、IT人材WIKIを実用化する上で知識ベースが大規模化することを想定し、問い合わせの並列高速化に関する技術開発を行った。[スキル目標管理方式・ITスキル育成SNS] Webを用いたマーケティング過程モデルの一つであるAISAS(注意~関心~検索~購買~共有)をもとにして、学生における高度IT人材目標への意識を段階的に高めていくスキル目標管理方式を設計した。その方式に基づいて、IT人材WIKIの構築においては、静岡大学情報学部の1~3年生に彼らが実際に関心を持つ人材や製品の記事をインターネットで検索してもらい、記事を読んだ(購買した)後に記事とともにサマリや学習項目との関係を登録してもらった。 さらに学生間でこれらの情報を共有しコメントを交換し、アクセスランキングを表視して対話を促進するSNS機能を学生に提供し、記事情報へアクセス頻度や投稿されるコメントの内容や投稿数から、学生たちの人材目標への意識が変化していくことを観察した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
構築すべき知識ベースのうち、高度IT人材に関する知識に関しては第一次開発を終え、すでに本学学生たちへの提供を開始し感想を収集するに至っている。もう一方の情報分野の学習項目に関する知識に関しては、モデリングおよびプロジェクトマネジメントという中核的な演習科目において体験的に得られる知識に焦点を絞って研究を進め、これらの知識を共有環境を開発し、学生への提供を開始している。いまだ収納すべき知識項目の量や学習項目の範囲あるいは洗練度の面では不足であるが、現在までの開発で、項目の形式・種類や関係・構造などについて知見を得ている。 知識ベースを利用して学生に目標設定をアドバイスしていく方式については、Webマーケティングにおいて知られる方式を応用した手順を設定し、本学の学生たちへの部分的な適用を開始している。学生自身が感心を持つ人材に関する知識とそれへのコメントを入力し、学生間で互いに参照しあうという手順のなかで、段階的に人材目標に対する意識を高めている様子を観測しているところである。
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Strategy for Future Research Activity |
[人材スキル知識の調査と知識ベース化・投稿情報分析利用]前年度に関発したIT人材WIKIの人材および製品・サービスのコンテンツを強化するとともに、学習項目や学習方法とそれらに関する評価情報を拡張していく。特に、これも前年度に関発し利用を開始している演習成果の共有システムと連携し、高度人材に対する目標意識を出発点として日々の授業での演習活動をガイドする道筋を明確にしていく。[スキル目標管理方式・ITスキル育成SNS]AISASのS(共有)過程から、さらに興味の対象を広げて検索して情報共有の量と参加者を反復的に増大させていく方法を強化する。特に、学生たちが日常的に利用する携帯電話やすでに流通しているSNSと連携を前提として、学生生活のさまざまな局面において人材目標と学習項目に関する情報を交していく可能性を探っていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
知識ベースのコンテンツ整備のために、パソコンおよびアルバイト謝金を使用予定である。また技術動向および利用動向の調査のため、国内および海外への出張費、ならびに図書購入を予定している。
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Research Products
(4 results)