2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23500327
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
伊藤 昭 岐阜大学, 工学部, 教授 (40302301)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺田 和憲 岐阜大学, 工学部, 准教授 (30345798)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | こころを読む / コミュニケーション / 創発 / 非零和ゲーム / こころの理論 / こころの付与 / メタ信号 |
Outline of Annual Research Achievements |
心を読むことによるコミュニケーションの研究は、大きく二つの部分からなる。一つは、心を読むコミュニケーションの発生要件を確認し、なぜ人のコミュニケーションがこのように複雑なメカニズムに頼るようになったのか、という原因の解明である。もう一つは、どのようにしてそれは実現されるのかという、メカニズムの解明でる。それにはさらに「人はどのようにして相手に心を付与するのか」という心の付与の問題、実際にどのようにして「心を読む」ことが実現できるのかというメディア使用の問題からなる。 最初の問いに対しては、我々は「非零和ゲーム(協調を必要とするが、利害が完全には一致しない)状況におけるコミュニケーションの必要性」を主張している。それを裏付けるため、人工的なコミュニケーション課題を設定し、予め意味の付与されていない信号を用いてコミュニケーションが創発すること、我々の日常のコミュニケーションで見られる、曖昧な、多義的な信号の使用、また嘘やだましなどの現象を発生させることに成功した。「心を読む」ことの要件を明確化し、その現象を人工的な環境で発生させたことは、本研究のオリジナリティである。 「心を読む」コミュニケーションを実現するためには、まず相手が心を読む行動主であるかどうかを判断せねばならない。これは、人と人工物との対話において重要となる。我々は、さまざまな対話相手と、人にインタラクションしてもらい、どのような条件があれば人は人工物に心属性を付与するのかを調査した。特に、外見と振るいの二つの要素が心属性の付与にどのように影響するのかをさまざまな実験で調査した。 心属性を付与した者同士対話者の間で、どのようにして「心を読む」コミュニケーションを実現していくのか、という問題については、その発生過程を分析することで、「メタ信号」が重要な役割を果たしていることを発見した。
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Research Products
(7 results)