2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23500375
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
青西 亨 東京工業大学, 総合理工学研究科(研究院), 准教授 (00333352)
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Keywords | カルシュムイメージング / ベイズ統計 / 非負値行列因子分解 / 樹状突起 |
Research Abstract |
近年、蛍光イメージング装置の発達により、時空間的に高解像度で多細胞活動の長時間計測が可能となった。高時空間分解能データの長時間計測の実現により、膨大なデータをいかに解析するかという問題に直面するようになった。古典的なデータ解析手法では、研究者が手動で単一細胞の活動に関連すると思われる蛍光変化がある場所に、関心領域(region of interest, ROI)を設定する。データ量が膨大になるにつれて、手動によるROI設定が困難になり、細胞の自動検出が必要になっている。SchnitzerグループのMukamel (2009)は、小脳の大規模イメージングデータに対して独立成分分析(independent component analysis, ICA)を適用し、同時に102個のプルキンエ細胞の検出に成功した(Neuron 63 747-760)。これらの計測と解析技術の組み合わせは、神経科学にブレークスルーをもたらすことが期待されている。 この研究に対抗して我々は、改良した非負値行列因子分解を高時空間分解能データに適用し、細胞体や樹状突起に対応するROIの設定に成功した。我々の手法は、MukamelらのICAアルゴリズムにほぼ匹敵する性能を有することを確認した。この研究をまとめた論文が、国際英文論文誌Neural Networksに採録された。この論文の反響は大きく、Schnitzerグループからの問い合わせが来ている。 次に、脳波を模擬した細胞外交流電場を海馬スライスに与えた場合の多細胞イメージングデータを解析した。上記の非負値行列因子分解で自動検出した各細胞のスパイク状のカルシウム信号と、負荷した細胞外交流電場との位相関係を調べる位相統計解析の手法を開発した。細胞外交流電場に対してカルシュウム信号が位相引き込みを起こすことを、この統計解析法で確認した。
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Research Products
(22 results)