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2011 Fiscal Year Research-status Report

神経細胞内ミオシン機能の新規制御機構の解明

Research Project

Project/Area Number 23500386
Research InstitutionHyogo Medical University

Principal Investigator

八木 秀司  兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (10303372)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 佐藤 真  福井大学, 医学部, 教授 (10222019)
黒田 一樹  福井大学, 医学部, 助教 (60557966)
駒田 致和  福井大学, 医学部, 特命助教 (90523994)
Project Period (FY) 2011-04-28 – 2014-03-31
Keywords神経細胞 / ミオシン / アクチン線維
Research Abstract

FILIPとMyosin2bの結合について、詳細に検討するため、FILIPとMyosin2bの結合部位の同定を、様々な変異分子による免疫沈降法を用いて試みた。その結果、FILIPはFILIPの今までドメインとしての報告の無い部位でMyosin2bのhead domainに結合することを見いだした。このMyosin 2bのドメインは、Myosin2bがアクチン線維と相互作用し、機能を発揮するのに必要なアクチン結合領域とATPase活性部位を有していた。この結合部位の情報より、FILIPが結合することにより、Myosin2bとアクチン線維との結合が阻害される可能性が考えられた。そこでFILIPの強制発現によりMyosin2bと細胞骨格であるアクチン線維との結合が変化する可能性を検討した。FILIP存在下では、Myosin 2bは、培養細胞内でアクチン線維と共存しない傾向が認められた。そこで、培養細胞の蛋白を、細胞骨格を含まない分画と細胞骨格を含む分画とに分け、Myosin2bがどの分画に存在するかを調べた。その結果、FILIP存在下では、Myosin2bはアクチン線維を含まない分画に存在する傾向が強いことを見いだした。この結果は、FILIPの結合が、Myosin2bのアクチン線維との結合を阻害することを示していた。また、piriform cortexの細胞を培養し、そのMyosin2bの神経細胞内での分布の変化を検討した結果、FILIPの有無により、その分布に変化が生じることを見いだした。以上の結果は、神経細胞内でもFILIPにより、Myosin2bの機能が調節されることを示しており、新たな調節系として重要であると考えられる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本年度、研究代表者 八木秀司は福井大学より兵庫医科大学に移動となった。この影響も有り、当初予定していた生体マウスの心筋を用いて行うFILIPによるMyosin2bの分子量変化の分子機構の解析は遅れている。また、この研究では、心筋のMyosin分子が多く存在し、それらの影響がMyosin2bの分子量に関する検討に影響を与えていることが判明した。これら他のMyosin分子の影響を分離して検討するためには、実験系として複雑になることがわかり、平成24年度から研究推進の方法を変更する予定である。このほかの実験は順調に進んでいると判断している。平成23年度に遂行したMyosin2bの細胞内分布の変化の検討、FILIPとMyosin2bの結合ドメインの同定に関しては、先の研究実績の概要に述べたように、期待以上の進行を認めている。平成23年度の結果よりFILIPによる結合は、Myosin2bの細胞内分布の調節に関わる新たな機構と考えられることが判明した。また、平成23年度に予定していたpiriform cortexを用いた神経細胞培養は遂行可能な状況であり、すでに平成23年度には、平成24年度に行う予定であった一部の実験結果を得ている。この結果より、Myosin2bの調節に関わるFILIPの神経細胞内での調節系の一部が明らかにできつつある。以上より、本研究は全体としてはおおむね順調に進展していると判断している。

Strategy for Future Research Activity

平成24年度の研究は、下記の(1)から(3)を行う予定である。(1)リン酸化を中心に、FILIPによるMyosin2bの修飾を検討する。心筋を対象に行う予定であったが、培養細胞を用いた実験系に変更し、その結果を生体に戻って検討することにする。本研究に関しては、研究代表者 八木秀司と研究分担者、佐藤真と黒田一樹と協力して行う。(2)Myosin 2bと結合しないFILIP変異分子を作製し、Myosin 2bに及ぼすFILIPの影響に関して、細胞内分布の変化を検討する。また、上記(1)の結果を得られた後、その分子修飾への影響を検討する。 (3)FILIP 遺伝子欠損マウスから得たpiriform cortex 由来神経細胞にFILIPを強制発現し、Myosin2b の分布の変化、棘突起の形態変化が正常細胞に近い形となるか検討をする。Myosin2b のATPase の阻害剤であるblebbistatin を培養神経細胞に作用させ、FILIP 存在下もしくは非存在下での培養神経細胞の棘突起に及ぼす影響を評価する。以上、(2)(3)は、主に、研究代表者 八木秀司が行う。平成25年度の研究は、下記(1)から(2)を行う予定である。(1) Myosin regulatory light chain のリン酸化を通じて、Myosin2b を活性化するRhoA の活性型、また、反対の作用を有するRhoA のドミナントネガティブ体を培養神経細胞に導入し、FILIP 遺伝子欠損マウス由来の神経細胞と正常対照マウスの神経細胞で認められる棘突起の形態変化に及ぼす影響を検討する。(2) Myosin2b の調節機構を生体内の脳で再現し、その役割を明らかにする。以上の実験により、Myosin2bの新たな調節系としてのFILIPの関与を明らかにしていく。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

上記平成24年度の実験を行うに当たり、(1)リン酸化を中心に、FILIPによるMyosin2bの修飾の関し、平成23年度に心筋を用いた検討では、実験系が複雑になったため、研究遂行に関し研究分担者とともに、再度検討し、培養細胞に変更することとした。そのために、一部研究費を平成24年度に繰り越すこととなり、平成24年度に使用する予定であった研究費を合わせて使用する予定である。本研究に関しては、研究代表者 八木秀司と研究分担者、佐藤真と黒田一樹と協力して行う。(2)Myosin 2bと結合しないFILIP変異分子を作製し、Myosin 2bに及ぼすFILIPの影響に関して、細胞内分布の変化を検討する。また、上記(1)の結果を得られた後、その分子修飾への影響を検討する。本研究は研究代表者 八木秀司が主に行う。 (3)FILIP 遺伝子欠損マウスから得たpiriform cortex 由来神経細胞にFILIPを強制発現し、Myosin2b の分布の変化、棘突起の形態変化が正常細胞に近い形となるか検討をする。Myosin2b のATPase の阻害剤であるblebbistatin を培養神経細胞に作用させ、FILIP 存在下もしくは非存在下での培養神経細胞の棘突起に及ぼす影響を評価する。本研究は研究代表者 八木秀司が主に行う。以上の研究を遂行するに当たり、試薬・消耗品などを購入する予定である。また、研究の遂行上、必要な情報を得、今までの成果を発表するため、国内・国外の学会に参加する予定である。

  • Research Products

    (4 results)

All 2012 2011

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (3 results)

  • [Journal Article] A Tightly Controlled Conditional Knockdown System Using the Tol2 Transposon-mediated Technique.2012

    • Author(s)
      Iguchi, Tokuichi, Hideshi Yagi, Chen-Chi Wang, and Makoto Sato
    • Journal Title

      PLoS One

      Volume: 7 Pages: e33380

    • DOI

      10.1371/journal.pone.0033380

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 神経細胞の棘状突起(スパイン)形成におけるFILIP関連分子の機能解析2012

    • Author(s)
      黒田 一樹,謝 敏カク,猪口 徳一,駒田 致和,岡 雄一郎,王 振吉,八木 秀司,佐藤 真
    • Organizer
      第117回日本解剖学会全国学術集会
    • Place of Presentation
      山梨大学(山梨県)
    • Year and Date
      2012年3月27日
  • [Presentation] Filip play a role in cortical development and spine morphology2011

    • Author(s)
      八木 秀司,謝 敏カク,池田 弘,駒田 致和,猪口 徳一,黒田 一樹,岡部 学,佐藤 真
    • Organizer
      第54回日本神経化学会大会
    • Place of Presentation
      山代温泉 瑠璃光(石川県)
    • Year and Date
      2011年9月26日
  • [Presentation] 神経棘突起の形態調節におけるFILIPの役割2011

    • Author(s)
      八木 秀司, 謝 敏カク, 池田 弘, 駒田 致和, 猪口 徳一, 黒田 一樹, 岡部 勝, 佐藤 真
    • Organizer
      第34回日本神経科学大会
    • Place of Presentation
      パシフィコ横浜(神奈川県)
    • Year and Date
      2011年9月17日

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Published: 2013-07-10  

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