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2012 Fiscal Year Research-status Report

注意欠陥多動性障害モデル動物での豊かな環境飼育による脳内ドパミン神経系の変化

Research Project

Project/Area Number 23500395
Research InstitutionNagoya City University

Principal Investigator

飛田 秀樹  名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00305525)

Keywordsドパミン / 豊かな環境 / 側坐核 / 内側前頭葉 / メタボローム解析
Research Abstract

本研究の目的は、注意欠陥多動性障害(ADHD)モデルのSHRラットを用い、“発育期の外部刺激の多い飼育(豊かな環境)が如何に情動 行動の形成に影響を与えるのか?”について、特にドパミン(DA)受容体およびcocaine- and amphetamine -regulated transcript (CA RT)に注目し、脳内DA神経系との関連性から取り組み、また遺伝要因および環境要因の違いにより変動するADHDバイオマーカー候補物質を側坐核などから探索することである。
平成24年度は、環境要因の違いにより変動するADHDバイオマーカー候補物質を側坐核のメタボローム解析を実施した。具体的には、離乳直後から通常の環境飼育 (SE)、豊かな環境飼育 (EE)、 孤独な環境飼育 (IE)の 異なる環境条件下で5週間飼育したSHRラットの側坐核組織のメタボローム解析を行った。その結果、EEやIEにのみ発現増加または低下する化合物が約20種類あること、側坐核においてノルアドレナリンの発現がEE>SE>IEの順に多いこと、3群間において総じて代謝的に大きな変化はないこと、などが明らかになった。一方、内側前頭野(PFC)におけるCART蛋白をウェスタン法により検討し、その発現は微量であるがPFCにおいてCART蛋白が増加している傾向をした。またPFCにおいてCART陽性細胞がGAD67と共存することを免疫染色にて確認したが、カルレチニンおよびパルブアルブミンとの共局在はまだ確証できていない。今後さらにサブタイプの同定について解析を進めていく予定である。またPFCにおけるCART蛋白の発現増加が、結果として側坐核における脳内各部から入力統合に及ぼす影響について解析を行う。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

オープンフィールドテスト、シリンダーテスト、ソーシャルテストによる行動実験は順調に進み、興味深い結果が得られている。また 、ドパミン関連遺伝子の遺伝子発現についても順調に解析が進み、CART蛋白レベルでの発現についての確証もほぼ達成した。内側前頭皮質においてCARTはGABA作動性の抑制性細胞に発現することが明らかになった。今後どのような作用機構により行動と結びついていくのかを解析することとなる。 側坐核におけるメタボローム解析も実施し、今後この結果をもとに解析を進める必要がある。しかし、全体としては概ね順調に進展していると考えている。

Strategy for Future Research Activity

当初の計画どおり概ね順調に進んでいると考えるが、豊かな環境飼育による内側前頭葉のGABA作動性抑制性神経におけるCARTの発現増加が、どのように側坐核における統合に影響が及び、その結果としてADHDモデル動物のSHRラットにおける多動性の減少や不安様行動の減弱という情動行動にどのように作用するのかについて、さらに解析を進めていく。
具体的には、1)CART蛋白の投与による行動変化、2)ドパミンアゴニストやアンタゴニストを用いた薬理学的検討の実施が益々必要になってきたと考えている。さらに、メタボローム解析の結果を基に情動行動の変化への関連性やADHDバイオマーカーの可能性を探索したい。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

豊かな環境飼育、通常の環境飼育、孤独な飼育環境を行い内側前頭葉へのCART(59-102)活性型ペプチドの脳内投与による情動行動の評価やドパミンアゴニストやアンタゴニスを用いた薬理学的検討の実施を予定するためするため、動物購入/飼育費、試薬費として研究費を使用する。
側坐核におけるメタボローム解析結果および内側前頭野での網羅的遺伝子解析の結果をもとに、細胞レベルでの発現変化や機能解析のため、免疫染色や細胞培養を用いた研究も視野に入れている。これら実験に用いる抗体、培養液等の試薬費を予定している。

  • Research Products

    (3 results)

All 2012

All Presentation (3 results)

  • [Presentation] Hyperactivity is reduced by environmental enrichment during growing period in an ADHD model rat accompanied with enhanced CART expression in medial prefrontal cortex2012

    • Author(s)
      Shimizu Y, Nishigaki R, Watanabe Y, Ueda Y, Misumi S, Masuda T, Hida H
    • Organizer
      Society for Neuroscience 2012
    • Place of Presentation
      コンベンションセンター(New Orlins)
    • Year and Date
      20121013-20121017
  • [Presentation] Oral intake of monosodium glutamate during growing period alters social behavior in a rat model of attention-deficit/hyperactivity disorder.2012

    • Author(s)
      Yokoyama Y, Shimizu Y, Misumi S, ishida A, Yokoi M, Hida H
    • Organizer
      Society for Neuroscience 2012
    • Place of Presentation
      コンベンションセンター(New Orlins)
    • Year and Date
      20121013-20121017
  • [Presentation] Decreased anxiety-induced behavior by environmental enrichment both in SHR and Wistar rats2012

    • Author(s)
      Shimizu Y, Nishigaki R, Yokoyama Y,Waatanabe Y, Mizumi S, Hida H
    • Organizer
      日本神経科学会
    • Place of Presentation
      名古屋国際会議場(愛知県)
    • Year and Date
      20120918-20120921

URL: 

Published: 2014-07-24  

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