2011 Fiscal Year Research-status Report
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23500401
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
曽根 雅紀 東邦大学, 理学部, 講師 (00397548)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 拓也 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助教 (80396647)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 神経変性 / 神経変性疾患 / ショウジョウバエ / 細胞内輸送 / アルツハイマー病 / トラフィッキング / モデル動物 / 脳・神経 |
Research Abstract |
本研究は細胞内蛋白質輸送異常の神経変性・神経変性疾患における役割を明らかにすることを目的としており、本年度は、われわれが独自の研究から得てきた手がかりである、yata遺伝子(アルツハイマー病原因分子の輸送調節分子)および前頭側頭型認知症原因分子(小胞体上の輸送調節部位で機能する)の変異体について、主にショウジョウバエモデルを用いて、遺伝学的解析および分子機能解析を行った。これまでにわれわれが同定してきたyataと分子間相互作用する候補分子の変異とyata変異との遺伝的相互作用を調べた結果、いくつかの分子の変異がyata変異表現型に対して回復または増悪効果を示したため、機能的な関連を確かに持っていることが明らかになった。種々の前頭側頭型認知症原因分子の変異体について、多重変異で表現型解析を行った結果、ひとつの分子のノックダウンによって他の分子の変異モデル表現型が有意にレスキューされることが見出された。また、筋萎縮性側索硬化症の原因遺伝子であるFUSについてのモデルショウジョウバエを新たに作成し、その表現型解析を行った。また、yataの制御下にある発生段階特異的なトラフィッキング制御機構に生じた異常がいかにして神経変性などの病態を引き起こしていくのかを明らかにしていくための準備段階として、その細胞内輸送がyataの制御下にある分子であるHIGについて、輸送調節分子機構の解析およびノックダウンによる機能解析系の確立を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、ショウジョウバエモデルを用いた遺伝学的手法およびその他の分子生物学的手法を用いて、細胞内蛋白質輸送異常と神経変性・神経変性疾患との役割を明らかにすることを目的とするものである。本年度においては、まず、われわれが独自見出した手がかりである、アルツハイマー病原因分子の細胞内輸送を調節する分子であるyataについての解析を行い、これまでにわれわれが見出してきたyata結合候補分子の中から、いくつかの分子について、機能的に密接な関連を持つことを遺伝学的に明らかにすることに成功した。今後は、見出した分子についてさらに詳細な機能解析に移っていく予定である。また、前頭側頭型認知症および筋萎縮性側索硬化症の種々の原因分子について、既存のモデルの多重変異による詳細な遺伝解析を行うとともに、新たなモデル動物も併せて作成した。今後はさらに詳細な分子機能・分子機構の解析に移っていく予定である。また、yataの制御下にある発生段階特異的なトラフィッキング制御機構に生じた異常がいかにして神経変性などの病態を引き起こしていくのかを明らかにしていくための準備段階として、その細胞内輸送がyataの制御下にある分子であるHIGについて、輸送調節分子機構の解析およびノックダウンによる機能解析系の確立を行った。確立した実験系を用いて、今後さらに解析を進めていく予定である。以上の通り、今後の解析につながる多くの成果が本年度内において得られており、研究はおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、ショウジョウバエモデルを用いた個体レベルでの遺伝学的知見に基づいて、分子・細胞レベルでの解析も併せて行っていく予定である。機能的に密接な関連を持つことが遺伝学的に明らかになったyata結合分子についてさらに詳細な機能解析を行っていく。また、前頭側頭型認知症および筋萎縮性側索硬化症の種々の原因分子について、さらに詳細な分子機能・分子機構の解析に移っていく予定である。また、yataの制御下にある発生段階特異的なトラフィッキング制御機構に生じた異常がいかにして神経変性などの病態を引き起こしていくのかを、個体レベル・細胞レベル・分子レベルでの研究手法を用いて統合的に明らかにしていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
分子生物学実験を行うための試薬類・プラスチック消耗品類および新たに必要になる小型機器、ショウジョウバエ飼育のためのチューブとフタ、ショウジョウバエのエサを作成するための材料(寒天、グルコース、コーンミール、乾燥酵母、小麦胚芽、いくつかの防腐剤)の購入のために研究費を支出する予定である。繰り越した6,725円と併せて研究費を支出する。
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Research Products
(8 results)