2013 Fiscal Year Annual Research Report
マーモセット低侵襲脳梗塞モデルを用いた脳梗塞に対する細胞療法・神経再生治療の開発
Project/Area Number |
23500417
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
原 晃一 慶應義塾大学, 医学部, 客員講師 (60255479)
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Keywords | 脳梗塞モデル / 霊長類 / マーモセット / 動物用PET / 動物用MRI |
Research Abstract |
これまで報告してきた通り、霊長類(コモンマーモセット)を用い、継続的に安定した脳梗塞モデルが作成できるようになった。特に術中酸素投与量を減量することで、大脳皮質、基底核を網羅し得る広範囲な脳梗塞作成が可能となった。また脳梗塞モデルの運動学的解析において、高速ビデオ撮影などを用い、歩行路上の患側の前後肢の運肢の遅れや、ハシゴの昇降時の患側の踏み外しなど、肉眼では分かり難かった高速の巧緻運動も含めたより詳細な評価が可能となり、行動学的解析がより正確に行えるようになった。さらに同モデルのPET解析を試みた。まずマーモセット脳梗塞の評価をするための至適核種を選定。心筋の評価で使われている特殊な核種が脳にも使用できることが分かった。同核種を用い脳梗塞前後でのPET撮像が容易となり、梗塞巣の代謝を中心とした生理学的検討も可能となった。本年度は本モデルを用い、脳梗塞に対する細胞療法の可能性について検討を始めた。共同にて研究を行っている岡野研より、マーモセット胎児脳由来の神経幹細胞を供与して頂き、ニューロスフェア法にてターシャリニューロスフェアを形成させ、この段階での細胞を準備した。症状の残る脳梗塞モデルを作成し、亜急性期に、基底核および皮質のペナンブラ領域を同定し移植を行った。現在移植モデルについての放射線学的、また病理学的解析を行っている最中である。以上、本研究の目的であった、マーモセットを用いた低侵襲脳梗塞モデル作成は確立され、統一した手技によって信頼度の高い確率で作成が可能となった。また同モデルは詳細な行動学的解析、放射線学的解析が可能であり、霊長類としての評価に耐え得る、よりヒトに近い脳梗塞モデルであると考えられる。同モデルに対し細胞移植も可能であり、今後の脳梗塞治療を含めた基礎研究に、非常に有用なモデルであると考えている。
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Research Products
(2 results)
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[Presentation] Development of less invasive transient middle cerebral artery occlusion model on Common Marmoset for cell therapy2013
Author(s)
Satoshi Inoue, Kohichi Hara, Keiogo Hikishima, Yuji Komaki, Toshio Itoh, Hiroshi Iwata, Mituaki Takemi, Junichi Ushiba, Hideo Tsykada, Kazunari Yoshida, James Hirotaka Okano, Hideyuki Okano
Organizer
Neuro2013
Place of Presentation
京都国際会館
Year and Date
20130620-20130624
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