2011 Fiscal Year Research-status Report
ヒト皮質脳波信号処理に基づく運動・言語の高次脳機能発現メカニズムの研究
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23500484
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
加藤 天美 近畿大学, 医学部, 教授 (00233776)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴田 智広 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 准教授 (40359873)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 高次脳機能 / fMRI / 皮質脳波 / 運動企図 / 発声企図 / 言語機能 / BMI / 脳機能賦活 |
Research Abstract |
ヒトの脳機能は広い範囲の脳領域の協調により発現すると考えられているが、ヒトの能動的企図(チョイス)を包含する情報は驚くほど狭い領域の脳皮質活動に集約される可能性がある。これらを同定することは、電極の少ない、効率的な脳-マシンインターフェイス (BMI)の開発に繋がる。 そこで、BMIに使用する脳波として、どの部位に電極を留置すれば、最も効率の良い信号を得られるかという点について検討するため、単語レベルと文レベルの課題を用いてfMRIを撮像し、賦活部位を解析した。その結果、音韻認知からの語想起と不完全文からの語想起において、賦活部位は異なっていた。音韻の認知と文理解で異なる領域が関与していると考えられた。すなわち、文レベルの課題を遂行する場合には、右半球の言語野対応部位も賦活すると考えられた。BMIにおいて、文レベルの理解・発話処理過程の信号を計測するためには、ブローカ野、ウェルニッケ野以外の言語野関連部位にも電極を留置する必要性が示唆された。それに対し、単語レベルであればブローカ野に限局した電極留置でよい可能性が示唆された。 さらに、硬膜下電極留置術後の患者が運動・言語タスクを施行する際の皮質脳波を記録し、その記録から逆に運動や言語タスクの内容を推定する復号化のため、よりよい解析方法を検討した。 なお、本研究のように患者の電気生理臨床データを用いた研究は近畿大学医学部倫理委員会の承認をすでに得ており、被験者から本研究に対するインフォームドコンセントを得た上で実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね、研究実施計画に沿って、研究が進んでいるから。
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Strategy for Future Research Activity |
皮質脳波データの収集とともに、皮質脳波信号の解析法を工夫しつつ被検例を重ね、解析法の確立を図るとともに、さらに「高次脳機能発現メカニズムのモデル化」に重点をおいた研究をすすめる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
信号解析のためのソフトウエアならびにハードウエア、記録媒体などに使用する予定である。
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