2013 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内酸素濃度イメージングのための蛍光・りん光同時発光型分子酸素計の開発
Project/Area Number |
23500511
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
吉原 利忠 群馬大学, 理工学研究院, 助教 (10375561)
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Keywords | りん光 / 蛍光 / 酸素 / イリジウム錯体 / 細胞 / レシオ |
Research Abstract |
本研究は,細胞内の酸素濃度および濃度分布を高感度,非侵襲的にリアルタイムイメージング,計測するための蛍光・りん光同時発光型分子酸素計を開発することである。本年度は,青色蛍光を示すクマリン系蛍光色素であるC343と,深赤色りん光を示すカチオン性イリジウム錯体である(btq)2Ir(phen)をプロリン残基数4のオリゴプロリンリンカーで結合させたC343-Pro4-BTQ+の合成を行った。開発したC343-Pro4-BTQ+は,アセトニトリル中においてC343由来の蛍光と(btq)2Ir(phen)由来のりん光が同時に観測された。また,溶液中の酸素分圧をマスフローメーターで0-160mmHgの範囲で変化させたところ,C343の蛍光強度は一定の値を示したのに対して,(btq)2Ir(phen)のりん光強度は,酸素分圧の増加ともに減少を示した。 21%酸素条件下で培養したHeLa,MCF7細胞にC343-Pro4-BTP,C343-Pro4-BTP+およびC343-Pro4-BTQ+溶液を最終濃度5μMで添加し,20時間培養後,蛍光顕微鏡で観察をおこなったところ,C343-Pro4-BTP は培養液中で凝集体を形成するため顕微画像の取得が困難であるのに対して,C343-Pro4-BTP+,C343-Pro4-BTQ+は細胞内から明瞭な発光が観測された。また,C343に由来する蛍光は,培養酸素濃度に依存しないのに対して,(btp)2Ir(phen),(btq)2Ir(phen)に由来するりん光は,2.5%酸素条件下において,21%酸素条件下よりも増加した。また,C343-Pro4-BTP+とC343-Pro4-BTQ+の発光強度を比較するとC343-Pro4-BTQ+のほうが高い値を示していることから,レシオ型酸素プローブとしてより有効に機能することが明らかとなった。
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Research Products
(14 results)
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[Journal Article] Tetraalkoxyphenanthrene-Fused Dehydroannulenes: Synthesis, Self-Assembly, and Electronic, Optical, and Electrochemical Properties2013
Author(s)
S. Kato, N. Takahashi, H. Tanaka, A. Kobayashi, T. Yoshihara, S. Tobita, T. Yamanobe, H. Uehara, and Y. Nakamura
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Journal Title
Chem. Eur. J.
Volume: 19
Pages: 12138-12151
DOI
Peer Reviewed
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