2011 Fiscal Year Research-status Report
拡大CT画像を用いた小型肺結節の定量的な経時変化の解析に基づく経過観察支援
Project/Area Number |
23500518
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
河田 佳樹 徳島大学, ソシオテクノサイエンス研究部, 准教授 (70274264)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仁木 登 徳島大学, ソシオテクノサイエンス研究部, 教授 (80116847)
大松 広伸 独立行政法人国立がん研究センター, 東病院呼吸器腫瘍科, 副科長 (40415518)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 肺がん / 拡大CT / 経時変化 / 4次元CT / 経過観察支援 |
Research Abstract |
難治がんである肺がん克服のためには検診による早期発見の重要性が指摘されている.近年,CTを導入した肺がんCT検診が施行され,高い肺がん検出率であることが示されつつある.しかし,CTで検出される小型肺結節は数多く,良性病変の頻度が圧倒的に高いことが適切な診断を困難にさせている. CT検診で発見される小型肺結節の非侵襲的で検診者の精神的・身体的負担の少ない高精度な診断法が求められている.最も有効な診断法は拡大CT画像を用いた画像診断であり,拡大CT画像を用いた経過観察は小型肺結節の診断に必須である.本研究の目的は(1)小型肺結節2千症例の大規模の拡大CT画像,経過画像と診断・病理情報からなるデータベース構築,(2)肺結節の大きさ,濃度情報,辺縁性状,周囲既存構造とこれらの経時変化の解析法の開発,(3)4次元CTを用いた呼吸などの生理学的変動と肺結節の経時変化の識別法の開発,(4)肺結節の経時変化と診断・病理情報の体系的な解析による科学的根拠に基づいた定量的かつ論理的な経過観察支援法の開発である.本年度は(1)と(2)を実施した.成果は以下の通りである.(1)小型肺結節2千症例の大規模の拡大CT画像,経過画像と診断・病理情報からなるデータベース構築の構築:拡大CT画像と診断・病理情報や再発・死因の予後追跡情報の収集には個人情報保護法に関わるために医療施設の倫理審査委員会の処理手順に従い匿名化処理を施した拡大CT画像,経時画像の収集を進めた.(2)肺結節の大きさ,濃度情報,辺縁性状,周囲既存構造とこれらの経時変化の解析法の開発:(2-1)拡大CT画像を用いた骨,気管・葉気管支・区域気管支,肺動静脈,肺葉・肺区域,心臓,縦隔,横隔膜などの胸部正常構造と肺結節の抽出法を開発した.(2-2)肺結節の位置・大きさ・濃度情報・辺縁性状・周囲既存構造との関係の定量的解析法の研究開発を進めた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度の研究成果は学術論文:1件,国際会議論文:2件,招待講演:3件,であり,申請時の計画通り順調に進展している.本年度は,(1)小型肺結節2千症例の大規模の拡大CT画像,経過画像と診断・病理情報からなるデータベース構築,(2)肺結節の大きさ,濃度情報,辺縁性状,周囲既存構造とこれらの経時変化の解析法の開発に注力して実施した.この成果は,(1)小型肺結節2千症例の大規模の拡大CT画像,経過画像と診断・病理情報からなるデータベース構築の構築:拡大CT画像と診断・病理情報や再発・死因の予後追跡情報の収集には個人情報保護法に関わるために医療施設の倫理審査委員会の処理手順に従い匿名化処理を施した拡大CT画像,経時画像の収集を進めた.(2)肺結節の大きさ,濃度情報,辺縁性状,周囲既存構造とこれらの経時変化の解析法の開発:(2-1)拡大CT画像を用いた骨,気管・葉気管支・区域気管支,肺動静脈,肺葉・肺区域,心臓,縦隔,横隔膜などの胸部正常構造と肺結節の抽出法を開発した.(2-2)肺結節の位置・大きさ・濃度情報・辺縁性状・周囲既存構造との関係の定量的解析法の開発した. 特に,肺がん症例を対象に肺結節の濃度情報に注目し,肺結節内のCT値ヒストグラムを用いて5つのタイプ(α,β,γ,δ,ε)に定量的に分類する肺結節モデルを開発し,経時高分解能3次元CT画像による疾患の経時変化の体系的な解析を可能にするために,5つのタイプと離散的に表現したモデルを連続的な数値(悪性度スコア値)で肺結節を表現するモデルを提案した.これは,統計的な解析法の1つである変分ベイズ混合分布を導入して肺結節を特徴付ける潜在的な因子を見いだすものであり,肺がんの高分解能3次元CT画像に適用してその有効性を検証した.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は,(1)小型肺結節2千症例の大規模の拡大CT画像,経過画像と診断・病理情報からなるデータベース構築,(2)肺結節の大きさ,濃度情報,辺縁性状,周囲既存構造とこれらの経時変化の解析法の開発,(3)4次元CTを用いた呼吸などの生理学的変動と肺結節の経時変化の識別法の開発,(4)肺結節の経時変化と診断・病理情報の体系的な解析による定量的かつ論理的な経過観察支援法の開発を実施する.平成24年度は,(2),(3)に関する研究を推進する.(2)では特に,肺結節の大きさ,濃度情報,辺縁性状,周囲既存構造の3次元的な経時変化を定量的に評価する特徴量を開発する.(3)では,4次元CT画像を用いて呼吸などによる生理学的変動が肺結節の大きさ,濃度情報,辺縁性状,周囲既存構造に与える影響を定量的に解析する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
・小型肺結節2千症例規模の大規模データベース構築のため,データ転送用のセキュリティ機能付きポータブルディスクの購入し,その郵送にデータ運搬費を使用する.データバックアップのためにDVDメディアを購入する.・大規模データベースの構築のため研究支援者(1名)を雇用する.・研究分担者の医学者との連携を密にするため,4ヶ月に1度のペースで班会議を開催して進捗状況の説明並びに開発方針について打ち合わせのための旅費を使用する.・研究成果発表のため国内外の旅費(国内研究会(年3回),国際会議(年2回))に使用する.また,研究成果の工学・医学系雑誌への投稿経費に使用する.
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Research Products
(6 results)