2013 Fiscal Year Annual Research Report
生体組織の伸展性に対する魚類由来エラスチンペプチドの影響
Project/Area Number |
23500533
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
伊藤 浩行 近畿大学, 生物理工学部, 教授 (60113148)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 衛 近畿大学, 生物理工学部, 准教授 (00309270)
竹森 久美子 近畿大学, 農学部, 講師 (00288888)
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Keywords | エラスチン / 魚類動脈球 / 高血圧 / 血管機能 / 皮膚 / バイオメカニクス |
Research Abstract |
最終年度の研究成果:高血圧自然発症ラット(SHR)にカツオ動脈球由来エラスチンペプチド(EP)を持続的に投与し、血圧や体重の変動に及ぼす影響を経時的に観察するとともに、自然死後諸臓器における病変および皮膚進展性に及ぼす影響を検索した。その結果、血圧や生存日数には有意の差は認められなかったが、病変の頻度や皮膚の伸展性には改善傾向が認められた。これらの結果は、EPが加齢や高血圧による弾性組織の機能低下の防止に有効であることを示唆している。 研究期間全体の研究成果:安全性の高い魚類由来のEPが、動脈や皮膚など伸展性が要求される組織にどのような影響を及ぼすかを、ラットを用いて検索し、以下の結果を得た。1)SHRにEPを投与することにより、大動脈における内皮細胞傷害の軽減・収縮反応の改善が認められた。EPの分解物であるProlyl glysin(PG)を投与することにより、内皮細胞傷害の軽減・拡張能の改善が認められた。2)ヘアレスラットに紫外線照射を行い、皮膚の光老化に対するEPの影響を検索した。EP塗布群ではプラセボ塗布群に比べ、紫外線照射による皮膚進展性の低下は明らかに抑制された。3)SHRにEPを長期にわたり投与し、高血圧性臓器障害や皮膚進展性に及ぼす影響を検索したところ、EP群では病変発症や伸展性低下に対して抑制傾向が認められた。 今回の研究により、魚類由来のEPは安全性が高く、弾性組織の機能低下に対して抑制的な作用を有すること、およびその効果は主としてPGによることが明らかとなった。これらに結果により、魚類由来EPは化粧品・健康食品あるいは医薬品としての応用がきたいされる。
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