2013 Fiscal Year Annual Research Report
内皮細胞層中の白血球浸潤部位に関するバイオメカニクス的検討
Project/Area Number |
23500535
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Research Institution | Kawasaki University of Medical Welfare |
Principal Investigator |
片岡 則之 川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 教授 (20250681)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梶谷 文彦 川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 教授 (70029114)
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Keywords | アテローム性動脈硬化 / 単球 / 内皮細胞 / アクチンフィラメント |
Research Abstract |
アテローム性動脈硬化症の発生では、酸化LDLの内皮下の蓄積に始まり、単球の内皮下への浸潤、単球のマクロファージへの分化、LDLの貪食から泡沫化の過程を経ることが良く知られており、単球の内皮下への浸潤がキープロセスとなっている。これまでの研究から、単球の浸潤部位における内皮細胞のアクチンフィラメントの減少、内皮細胞の弾性率の低下、そして内皮間接着タンパクであるPECAM-1の増加が観察されているが、さらに我々は、単球は内皮細胞が軟化した部位を選択的に浸潤するのではないかと考えて研究を行った。 最終年度である本年度は、単球の内皮下浸潤における内皮細胞の力学特性の影響、単球浸潤を抑制する因子の検討、さらなる3次元共培養単球浸潤解析モデルの構築を行った。 培養内皮細胞をあらかじめ炎症性サイトカインであるIL-1βで活性化させ、その後、アクチンフィラメントの重合を可逆的に阻害するサイトカラシンを投与して単球の挙動を観察したところ、IL-1βのみを投与した内皮細胞よりも浸潤した単球が増加した。いっぽう、ざくろに含まれるポリフェノールの代謝物であるエラグ酸はアレルギー等の抑制効果があることが知られている。そこで、培養内皮細胞をIL-1βで活性化、さらには酸化LDLを投与したさせた後にエラグ酸を同時に投与して単球挙動を観察したところ、浸潤した単球数が減少した。これは、エラグ酸の抗酸化作用が大きく関与しているものと考えられた。 3次元共培養単球浸潤解析モデルは、厚さ20~30μmのコラーゲンゲル層の下部に炎症物質産生細胞の小塊を設置し、ゲル上に内皮細胞を単層培養、そこに単球を添加して浸潤挙動を解析するというものである。この系を用いて光学顕微鏡、蛍光顕微鏡どちらでも観察可能であった。
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Research Products
(1 results)