2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23500537
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
山根 隆志 神戸大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (10358278)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西田 正浩 独立行政法人産業技術総合研究所, その他部局等, 研究員 (80357714)
松田 兼一 山梨大学, 医学工学総合研究部, 教授 (60282480)
山本 健一郎 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (00434316)
丸山 修 独立行政法人産業技術総合研究所, その他部局等, 研究員 (30358064)
小阪 亮 独立行政法人産業技術総合研究所, その他部局等, 研究員 (10415680)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 除水装置 / 遠心ポンプ / ろ過膜 / 溶血 |
Research Abstract |
心不全のために心血管系に水が貯留し、緊急に除水を必要とするうっ血性心不全患者や溢水となり緊急に除水を必要とする透析患者から、簡便かつ安全に除水する可搬型除水システムを、新規開発することが目的である。小型遠心ポンプ、及び末梢静脈へのバスキュラーアクセス(カテーテル)を用いた、体外循環血液ろ過装置を開発するため、本研究では、血液を循環させるための遠心ポンプの開発と、ろ過により除水を行う膜モジュールの選択を目標としている。本装置の開発により、現在は透析施設の備わった病院でしか治療できなかった症例に対して、透析施設の伴わない一般病院においても、血液浄化を安全に施行することを可能にする効果をもたらす。さらに本装置は大災害において、透析施設が機能不全に陥った場合に、簡易血液浄化装置としても役立つものである。平成23年度には、羽根直径30mm、ポンプ外径70mm、出入口内径3.4mm、モータ厚さ8mmの遠心ポンプ(名称DP2)を試作し、性能試験と溶血試験を実施した。性能試験では回転数1500rpmで圧力30mmHgが達成できることが確認された。溶血試験では、クエン酸を添加したウシの1日保存血500mLをポンプ回路に充填し、4時間37℃に維持した。その結果、流量50mL/min、回転数1500rpmのポンプ条件で、DP2ポンプでは、血漿中遊離ヘモグロビン量が77.3mg/hとなり、市販体外循環ポンプBPX80(ポンプ条件200mmHg、4L/min)での290mg/hの約1/4の値と、良好な成績をおさめた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度は8月29日と3月2日に全体会議を行って、実験結果の評価と研究指針の設定を、確実に進めてきた。システム化は来年度送りであるが、実験結果として、新規に開発した遠心ポンプを使って、溶血試験結果が市販体外循環ポンプの1/4という良好な溶血成績をおさめたので、おおむね順調と判定した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成23年度は2回の全体会議を行って、臨床側と工学側が膝を交えて、実験結果の評価と研究指針の設定を、確実に進めてきた。平成24年度も医工の実験結果を持ち寄って、システム構築を進めるとともに、成果の学会発表を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度に向けて、開発目的を長期在宅透析および救急車中透析に設定し、透析液を用いないろ過方式で水を節約する。キット化ではスーツケースに入る程度のシステムとするため、ポンプ及びコントローラは平たい形状にし、モータは取外し可能な構造にする方針を立てた。概念設計の後、ポンプ及び透析器のキットを組んで、溶血試験と抗血栓試験を行う計画である。
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Research Products
(3 results)