2013 Fiscal Year Annual Research Report
老人性大動脈弁狭窄症における僧帽弁輪・弁尖への石灰化進展による僧帽弁狭窄の合併
Project/Area Number |
23500574
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
竹内 正明 産業医科大学, 医学部, 准教授 (30236434)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾辻 豊 産業医科大学, 医学部, 教授 (30264427)
春木 伸彦 産業医科大学, 医学部, 助教 (70469394)
西村 陽介 産業医科大学, 大学病院, 准教授 (50301338)
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Keywords | 大動脈弁狭窄症 |
Research Abstract |
本研究の目的は老人性大動脈弁狭窄症(AS)症例において、1)リアルタイム3次元経食道心エコー法により僧帽弁輪石灰化の程度および弁尖開放の減少を評価し、弁輪・弁尖に及ぶ石灰化と僧帽弁弁口面積の関連を検討すること。2)大動脈弁置換術(AVR)術後、治療せずに残された僧帽弁狭窄症(MS)が心血行動態に及ぼす悪影響を運動負荷心エコー法を用いて検討することである。1)に関して最終的に老人性AS評価のために3次元経食道心エコー検査を施行した101例、および大動脈弁、僧帽弁に器質的病変はないが他の理由で3次元経 食道心エコー検査を施行したコントロール群(C群)26例のデータを収集し、解析済みである。1)に関する最終結果ではAS群はC群に比べ有意に内側弁輪面積が小さく、石灰化面積は有意に大きかった。また僧帽弁を通過する血流速度はAS群で有意に高く、その結果僧帽弁を介する平均圧較差はAS群で有意に大であった。僧帽弁弁口面積はAS群で有意に小さく、24%は弁口面積が1.5cm2未満の中等度以上の僧帽弁狭窄を呈していた。僧帽弁弁口面積を説明変数とする多変量解析では、内側弁輪面積、僧帽後弁尖と弁輪のなす角度が有意な規定因子として選択された。これらの結果をまとめ、現在論文を投稿中である(Heart)。 また2)に関してはAVR術後10例に運動負荷心エコー、またはドブタミン心エコーを施行した。負荷によりさらに僧帽弁狭窄症が増悪することはなく、負荷前に比べ負荷後弁口面積は有意に増大した。解析の結果負荷時の弁口面積の増大は負荷により拡張期時間あたりの血流量増加と有意に比例しており、大動脈弁狭窄症に合併する僧帽弁狭窄症は血流量が低下しているために見かけ上弁の開放が制限された偽性僧帽弁狭窄症の可能性が示唆される結果を得た。こちらに関しても現在論文作成中である。
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