2012 Fiscal Year Research-status Report
嚥下障害に対する高電圧パルス電流を用いた電気刺激療法の効果
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23500588
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
松元 秀次 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (80418863)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川平 和美 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 客員研究員 (20117493)
下堂薗 恵 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (30325782)
衛藤 誠二 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (70295244)
緒方 敦子 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (40305123)
中村 康典 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 客員研究員 (30315444)
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Keywords | 高電圧パルス電流 / 嚥下障害 / 嚥下訓練 |
Research Abstract |
高電圧パルス電流は、①短いパルス持続時間の波形を用いて、高い電圧の直流電流で刺激する方法。②深部まで電気刺激が可能。③選択的に筋を刺激することが可能。④鎮痛や循環改善、創傷治癒、筋力増大などの効果。という4つの特性をもつことから嚥下訓練に用いることが本研究の特徴である。 研究1として、健常者に対して高電圧パルス電流を用いた検証を行った。 オトガイ舌骨筋、顎舌骨筋、甲状舌骨筋をそれぞれ刺激し、舌骨・喉頭の運動の有無や運動範囲を得られるかを検証し、適切な刺激ポイントを確認した。 結果として、オトガイ舌骨筋、顎舌骨筋、甲状舌骨筋を有効に前上方へ動かすことができることを確認できた。研究2として、嚥下障害を呈する患者に対して高電圧パルス電流を用いた電気刺激療法の嚥下訓練の有効性の検証を行った。8週間の介入を行い、有意に嚥下機能を改善でき、食事形態の向上をはかることができた。 Leelamanitら (2001) は嚥下障害に対しHVPC電気刺激を応用し、甲状舌骨筋刺激と嚥下反射を同期する方法で長期的な効果を示している。本研究では、さらに優れた結果であった。高電圧パルス電流を用いた電気刺激療法は、疼痛や組織損傷、回復を阻害するような要素はなく安全に行うことができた。従来の低周波電気刺激治療で指摘されている筋疲労に関しても、選択的電気刺激が可能なことから筋疲労を生じることはなかった。この治療法の有効性を実証できたことで電気刺激治療が今後の嚥下障害患者への新しい治療法の一つになると考えられる。なお、Dysphagia Research Society の年次学術大会(シアトル)において2013年3月に発表することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画に沿って症例数、評価手順ともに問題ない。
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Strategy for Future Research Activity |
研究予定期間内に研究を終了し英語論文化の方針である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
症例数の蓄積および英語論文化を進める。
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Research Products
(1 results)