2014 Fiscal Year Annual Research Report
ゴーグル型視覚刺激装置を用いた半側空間失認へのリハビリテーションとその効果
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23500589
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
緒方 敦子 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (40305123)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
衛藤 誠二 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (70295244)
下堂薗 恵 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (30325782)
川平 和美 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 研究員 (20117493)
林 良太 鹿児島大学, 理工学研究科, 准教授 (40288949)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 半側空間無視 / ゴーグル型モニター / 視覚走査 / 体幹回旋 |
Outline of Annual Research Achievements |
半側空間無視のリハビリテーションとして、ゴーグル型モニターを使用する事で、外部からの視覚情報をコントロールし、同時に視線を動かさなければ無視側を見る事ができない訓練を考案した。研究の目的は、ゴーグル型視覚探索訓練を開発し、その即時効果、長期効果、訓練時の体幹、頭部の回旋の程度、重心の移動と訓練効果をみる事である。研究は、まず、ゴーグル型視覚探索訓練を半側空間無視患者に行い、その即時効果を検討した。方法はゴーグル型モニター上の中心を注視し、その後に提示される点が画面の左右どちらに出たかを答えるもので、前後で線分二等分、線分抹消、文字抹消検査を行った。結果は文字抹消検査において有意に改善が認められた。同時に体幹、頭部の左への回旋が認められた。この体幹、頭部の回旋角度は正確な測定ができていなかったため、次に重心位置測定システムを作成した。 今年度は、訓練中の重心位置測定システムに同期して、頭部の位置移動を測定するシステムを完成させた。頭部位置は、頭部に装着する帽子に丸の目印を2つ取り付けてビデオで動きを記録し、画像解析ソフトで処理して2つの位置関係から頭部の移動角度を測定する。この帽子、丸の目印を最適なものにすることが困難で、何度も製作してはデータを取り直して、訓練環境を整備した。 この環境で、左片麻痺のある患者についてゴーグル型モニターを用いた視覚走査検査を行い、症状の異なる3名(1:左半側空間無視+左同名半盲患者、2:半側空間無視なし、左同名半盲のみの患者、3:無視も半盲もない患者)について比較検討した。検査中の3名の重心位置、頭部の位置の移動は明らかに異なっており、半側空間無視の患者は体幹が左側へ回旋すると同時に重心、頭部も左側へ回旋する事を具体的な数値で表現する事ができた。ゴーグル型モニターは体幹、視線を動かす事ができ、半側空間無視のリハに役立つと思われる。
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Research Products
(1 results)