2011 Fiscal Year Research-status Report
メンタルプラクティスの効果的な実践方法の開発に向けた神経生理学的検討
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23500602
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
東 登志夫 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (40244090)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅原 憲一 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 教授 (90280198)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | メンタルプラクティス / 経頭蓋磁気刺激 / 運動誘発電位 / 健常成人 |
Research Abstract |
本年度は運動イメージ課題において,同時に運動イメージ課題と関連した感覚情報を提示することが,1人称運動イメージの想起の鮮明度を高めるかどうかを大脳皮質運動野の興奮性変化と,主観的な運動イメージの鮮明度評価によって検討した. 対象は右利きの健康成人4名とした.被験者には,前方80cm程度前方に置かれたPCモニタに向かって椅子座位をとらせ,両上肢は前方の机に安楽に置かせ固定した.運動イメージ課題には「はさみで紙を切る動作」を採用し,「あなた自身が,実際にはさみで紙を切っているかのように運動をイメージしてください」と指示する.この課題を,1)口頭指示のみ,2)同時にスピーカーから実際にハサミで紙を切る音を提示する(聴覚条件),3)同時に第3者が実際にハサミで紙を切っている映像(動画)をPCモニタ提示する(視覚情報),4)同時に実際にはさみで紙を切る音と映像を提示する(聴覚+視覚情報)の4条件で行わせた.課題中は,1)2)については閉眼,3)4)に関しては,開眼でモニタの映像を注視させた.経頭蓋磁気刺激(TMS)は,映像においてはさみが閉じる瞬間に同期して与え,運動誘発電位(MEP)を母指球筋群(TH)から計測した.実験条件の順番はランダマイズした.また各条件終了後には,主観的な運動イメージの鮮明度をVisual Analogue Scale(VAS)を用いて評価した.その結果,データ数が不十分であるものの,「聴覚条件」,「視覚条件」,「聴覚+視覚条件」におけるMEP振幅は,安静条件と比べ増大する傾向を示し,「聴覚+視覚条件」で最も大きい値を示した.また,主観的な運動イメージの鮮明度の指標として用いたVASの計測値においても「聴覚+視覚条件」において最も大きい値を示した.今後,さらにデータサンプルの収集に努め,統計学的にも各条件における違いを検討していきたい.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究代表者が年度途中(6月30日付)で所属を移動したため,新所属である長崎大学における実験環境の構築に時間を要したため.
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Strategy for Future Research Activity |
新しい所属での実験環境も十分に整ったため,次年度は今年度の遅れを取り戻すために実験頻度を高め,データサンプル数を増加させる.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度は,実験遂行に必要な消耗品,被験者謝金.及び研究分担者との打ち合わせ旅費,研究成果発表のための旅費,英文校閲費等を計上する.
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Research Products
(2 results)