2012 Fiscal Year Research-status Report
骨格筋の炎症制御による新規抗動脈硬化運動プログラムの開発
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23500620
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
島田 和典 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (60327814)
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Keywords | 動脈硬化 / マクロファージ / 骨格筋 |
Research Abstract |
本研究の目的は、体重の約50%を占める骨格筋の炎症制御という新たな視点から、骨格筋の急性や慢性炎症との関連を、動脈硬化モデルマウスを用いて基礎的に検討することである。さらに、動脈硬化症と骨格筋との関連を、臨床的に検討することである。骨格筋の炎症制御の機序解明は、動脈硬化予防そして新規運動プログラムの開発にも役立ち、国民の健康の維持増進、心臓リハビリテーションも含めた医療の向上にも有用であると考えられる。 本年度は、 1.アポE欠損マウスを用いて、アンジオテンシンII持続投与により大動脈瘤モデルマウスを作製した。大動脈瘤部ではTNF-a、IL-1b、MCP-1の発現は有意に亢進しており、M1およびM2マクロファージに特異的な遺伝子発現は特徴的な変化を認めることを確認した。現在、骨格筋の組織染色および遺伝子発現を検討中である。また、これらのモデルマウスの腹腔マクロファージを採取し、M1およびM2マクロファージの役割を各種遺伝子発現も含め検討中である。さらに、抗炎症作用を有する脂肪酸を投与し、腹部大動脈瘤部および骨格筋におけるM1およびM2マクロファージ活性化の制御を検討中である。 2.冠動脈バイパス術後症例に対し心臓リハビリテーションを施行し、前後の骨格筋量、筋力、運動耐容能の変化を検討した。その結果、非糖尿病例に比し糖尿病例は、開始時の下肢筋力が低下していた。終了時には、両群とも筋力と運動耐容能は有意に改善した。しかし、糖尿病例では筋肉量の有意な改善は認めなかった。現在、骨格筋量の増加と炎症との関連を検討中である。 3.さらに、国内外の学会に参加して、国内外の研究者と意見交換を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
動脈硬化モデルマウスにおけるM1/M2マクロファージの評価系はすでに確立し、解析も進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
動脈硬化病変および骨格筋におけるM1/M2マクロファージの役割、腹腔マクロファージの培養系において超高感度DNAチップによる解析を行う。 運動療法群や抗炎症作用を有する脂肪酸投与群における骨格筋の組織染色および遺伝子発現の検討を継続する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
細胞培養のための試薬、DNAチップによる解析関連費用、動物モデル解析のための各種抗体や試薬、学会発表や情報交換のための参加費旅費に使用する計画である。
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Research Products
(8 results)