2013 Fiscal Year Annual Research Report
骨格筋の炎症制御による新規抗動脈硬化運動プログラムの開発
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23500620
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
島田 和典 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (60327814)
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Keywords | 動脈硬化 / マクロファージ / 骨格筋 |
Research Abstract |
本研究の目的は、体重の約1/2を占める骨格筋の炎症制御という新たな視点から、基礎的・臨床的に検討することである。骨格筋における炎症制御の機序を解明することは、動脈硬化予防そして新規運動プログラムの開発にも役立ち、心臓リハビリテーションも含めた医療の向上にも有用であると考えられる。 本年度は、 1.アポE欠損マウスを用いて、高脂肪食群、高脂肪食+運動療法(Ex)群、高脂肪食+ARB投与群、高脂肪食+Ex+ARB群に分け比較検討を行った。大動脈展開組織を用いた動脈硬化病変の定量、骨格筋も含めた各臓器重量の測定、大動脈組織を用いた炎症性サイトカインの発現を測定した。動脈硬化病変は、高脂肪食群と比較して、他の全ての群で有意に抑制された。大動脈におけるIL-6のmRNA発現は、高脂肪食群と比較して、高脂肪食+ARB群、高脂肪食+Ex+ARB群において有意に抑制された。高脂肪食群の骨格筋においてCD11c陽性細胞を確認し、現在、各群における炎症性細胞の浸潤、炎症関連遺伝子の発現を検討している。さらに、アポE欠損マウスを用いて大動脈瘤モデルマウスを作製し、大動脈瘤部におけるTNF-a、TGF-b、MCP-1、VCAM-1、MMP-2の発現亢進、M1/M2マクロファージバランスのM1シフトを確認した。腹腔マクロファージにおいても同様なM1シフトを認めた。骨格筋の組織染色および遺伝子発現、M1・M2マクロファージ活性化の制御について検討を継続している。 2.心臓リハビリテーション施行例に対し、骨格筋量、筋力、運動耐容能の変化を検討した。その結果、心臓リハビリテーションにより筋量、筋力、運動耐容能は有意に改善したが、糖尿病例では筋肉量の有意な改善は認めなかった。また、糖尿病例における運動耐容能の低下は、臨床的予後と関連した。現在、骨格筋量の増加、臨床予後、炎症との関連を検討している。 3.さらに、国内外の学会に参加して、国内外の研究者と意見交換を行った。
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Research Products
(14 results)