2013 Fiscal Year Annual Research Report
脳卒中片麻痺上肢に対するニューロフィードバック療法の開発とその効果検証
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23500630
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Research Institution | Kio University |
Principal Investigator |
森岡 周 畿央大学, 健康科学部, 教授 (20388903)
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Keywords | ニューロフィードバック / 脳卒中 / 上肢機能 |
Research Abstract |
今年度は、前年度に開発したニューロフィードバック装置を用いて、その装置を用いた介入が脳卒中後の上肢機能改善に効果を示すか検証した。対象は脳卒中後に上肢運動機能障害を呈した入院患者10名である。平均年齢は56.3±12.5歳であった。介入は2週間(計10日間)行われた。対象者は日常生活場面における道具の操作映像を観察するように求められた。なお、すべての対象者は通常の理学療法、作業療法の診療を受けており、本介入が別に加えられた形となる。介入における観察時の脳活動をfunctional near-infrared spectroscopy(fNIRS)を用いて記録し、道具操作に関わる運動関連脳領域の活動を記録し、腹側運動前野の活動が閾値を超えるとフィードバックが対象者に与えられた。介入前後の上肢機能アウトカムには、Wolf motor function test (WMFT)における課題遂行時間ならびにFunctinal ability scale(FAS)、そして10秒テストが用いられた。結果、10名中4名において、ビデオ映像観察中のいずれにおいても閾値を超える腹側運動前野の活動を認めなかった(活動なし群)。残りの6名においては腹側運動前野の活動が閾値を超える場合があり、適宜、ニューロフィードバックを試みた(活動あり群)。活動なし群に比べ、活動あり群の介入前のWFMTの課題遂行時間に有意な減少(p<0.05)、そしてFASと10秒テストに有意な増加が認められた(p<0.05)。また、介入前と後の各アウトカムの改善ポイントを比較すると、WFMTの課題遂行時間のみに活動あり群で有意なポイントの増加を認めた(p<0.05)。これらの結果から、本ニューロフィードバック課題の効果を引き出すためには、ビデオ映像観察中の腹側運動前野の相応の活動が必要であることが示唆された。
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Research Products
(6 results)