2013 Fiscal Year Annual Research Report
固有振動数を利用した骨の強さ指標と筋力の負荷関係評価法の開発
Project/Area Number |
23500651
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
矢野 澄雄 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (20115306)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 博也 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 准教授 (90294256)
|
Keywords | 生物・生体工学 / 機械力学・制御 / 生体機能利用 |
Research Abstract |
ヒトの骨の質・強さを力学的指標で検討するため、前腕のCT画像解析から筋と骨の各断面積を用いて、筋力の影響を含む指標作成と加齢的傾向を調べた。骨への負荷となる筋力との関係や力・負荷に関する測定機器開発のためのセンサフィルムの力学的特性を検討した。 1.橈骨遠位端から前腕骨長の4%部位(手首側)での骨の評価として、(pQCT法)の総骨密度と固有振動数を利用したヤング率相当の骨強度指標では、50歳代と70歳代の間、60歳代と70歳代の間との低下に0.5%水準で統計的有意差がみられた。50歳~82歳までの女性96例である。 2. 橈骨遠位端から前腕骨長の20%部位では、骨に負荷となる筋の曲げモーメント相当の指標として、筋断面積と前腕長の積で、圧縮力相当の指標として、筋断面積÷骨断面積で評価した。曲げモーメント相当の指標では、50歳代と70歳代との間の低下、60歳代と70歳代の間の低下には統計的有意差がみられた。筋肉の影響を考慮した指標は、4%部位の総骨密度や強度指標と同様な加齢的低下傾向がみられ、今後の特性の把握と評価をする上で有意義な見通しが得られた。圧縮力相当の指標も、50歳代と70歳代の間の減少に有意差がみられた。4%部位の総骨密度よりも50歳代から60歳代にかけての加齢的低下は緩やかなようである。 3.負荷の測定に関して、力センサに用いるフィルム自体の曲げ荷重に対する力学的特性を実験で調べると、ある曲率を超えると出力は急激に大きくなるが、腕や足底の曲率程度では小さな一定出力なることがわかった。計測面での見通しが立ち、センサ受圧面をフラットに保つ工夫が原理的に重要であることやセンサ配置についての知見を得た。
|
Research Products
(5 results)