2014 Fiscal Year Annual Research Report
通学形態と自覚症状および身体活動・生活行動に関する縦断的研究
Project/Area Number |
23500680
|
Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
青柳 直子 茨城大学, 教育学部, 准教授 (80414100)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
|
Keywords | 通学形態 / 生体リズム / 心身機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】学齢期における学校生活を取り巻く問題として,近年の急速な少子化や市町村合併を背景とした学校統廃合が挙げられる.学校統廃合に伴う遠距離通学への移行(通学距離の延伸化・通学時間の延長化)は,長時間通学による心身への負担増加,日常生活行動の制約に伴い発現する生活リズムの不整をもたらす可能性が考えられる.そこで本研究では,学校統合を経験した中学校を対象として,通学形態と心身機能や生活行動などとの関連について明らかにすることを目的とした. 【方法】本年度は,対象者や教育委員会からの本調査への同意および協力を得て,統合実施初年度の関東地区都市部近郊の中学校を対象として,自記式質問紙調査を実施した.内容は以下の通りであった.1)対象者:中学生341名,2)調査項目:通学形態・環境,自覚的心身症状,学校生活に関するストレス,登校日・休日の生活状況(塾・習い事,睡眠,学習状況,部活動,運動習慣)など 【結果・まとめ】通学手段は8割以上が「自転車」であり,通学中の徒歩時間が10分未満である生徒は9割以上を占めた.通学距離や通学時間の長さは通学環境に関する不満や通学中の気分,自覚的精神症状と有意な正の相関がみられ,特に精神的愁訴の多さと関連がみられた.一方,身体症状とはいずれも有意な関連はみられなかった.休日では主に起床時刻の遅延による睡眠時間の延長がみられたが,部活動の有無による影響を受けている様子もうかがえた.中学生期における精神的愁訴は通学形態の差異による影響がみられたことより,通学形態は日常的な心身負担と関連があることが示唆された.通学形態と睡眠や休日の生活行動との関連性について検討することを今後の課題としたい.
|
Research Products
(6 results)